表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

夢と光の裏

「桜ちゃんて、ずるいよね」

同学年の女子が言った。

「なんで私なにもずるいことしてないよ?」

桜は答えた。

「してるさ、何でも出来るのにまだ何か足りなさそうで、それを俺たちから奪うんだ」

同学年の男子がいった。

「そう、それで先生に誉められて・・・どんな気分?」

続けてまた他の女子が言った。

「私なにも奪ってないよ・・・頑張ってるだけだよ?」

桜はまた答えた。

「黙れ、お前のせいで・・・俺の人生はむちゃくちゃだ」

今度は大人の男性が言った。


頑張るのは悪いの?強いのは悪いの?何で私攻められてるの?


「おい、見ろよあいつだぜ」

「すました顔して相当の悪らしいぜ」

「いつか、破滅するさ」

いつの間にか私を排除する視線や噂話しが広がっていた、この頃私は中学生だった。そんな、ある日私はヤクザ風の男に襲われた。

「いくら強くても、銃を向けられちゃ噂の極悪女でも可愛い子猫も同然だな。」

この時正直怖いとかそんな感情はなかった、あった感情は私を悪者扱いする周りの人間に対する怒りだけ。

「殺す・・・」

「あん?・・・・・・え、うわ!俺の、俺の腕が変な方向に!ひゃぁ!誰か助けて!」

ヤクザ風の男は持っていた銃を落として、私が蹴りで一瞬にして折り曲げた腕を押さえながら走って逃げて行った。

 その日私は初めて泣いた、怒りと孤独の寂しさで、そして次の日私は転校した。








 ブレーカーを上げると機械的な起動音が施設内部に響いた、そして古い電球が灯りを灯し施設内部は多少明るくなった。

「これで少しはマシな方だ」

ルーカスは再びサブマシンガンを構えて部屋を出る。


「は!夢!なんて、いやな夢なの昔の頃の夢なんて」

桜はうずくまった状態から、体を起こし目を開けると天井の古い電球が灯りをしているのに、気が付いた。立ち上がり体の関節を回して解すと、奇妙な踊りを踊りながら喋る。

「勝った!オラオラかかってこいやー!私、極悪ぅ魑魅魍魎ぉー、ふんふんてやっ!キュッキュキュキュキュッキュッキュッ、そいや!」

奇妙な踊りが終わって、しばらくして周りを見渡すと血まみれの死体を見つける。黒い戦闘服に身を包んだ死体だった。ルーカスと同じ装備、まさかと思い死体を調べる。

「・・・良かったルーカスじゃない」

死体のデイバックから使えそうな物を回収、サブマシンガンと高周波ブレードを装備に加える。さらに足には戦闘服に付いていたサポートを付け、手にはハーフカットグローブをした。

「ブレードなんて使ったことないな・・・」

 練習のつもりで鞘からブレードを出して、振ってみるが誰がどう見ても素人芸。

「説明書とかないのかな、よし感で使う。やっぱりブラックパニッシャーがないとな・・・」

サブマシンガンをルーカスと同じように構えて落下した部屋を出る。

 しばらく奥に進むと階段が見える、階段を上がろとすると、階段の踊場にルーカスが以前遭遇した巨大化した、蜘蛛がいた。桜は驚いて後方宙返りで後ろにさがりサブマシンガンを構え直し照準で狙う。

「・・・でかい、なにもしてこないな?」

なにもしてこない、そう思っていたが桜の読みは、外れていた蜘蛛は口のハサミを大きく広げると緑色の液体を桜に吐き出し攻撃、危ないところで、バックステップにて回避液体が降りかかった、場所はドロドロに溶けていた。

「ひえー怖い怖い、せっかくだしブレードを刺してみるか。」

蜘蛛は先程と同じ場所で同じように、口のハサミを大きく広げ、液体を吐き出すが桜はそれを壁を蹴って三角跳びで回避その勢いに任せて、背中からブレードを鞘から引き抜き着地と同時にブレードを蜘蛛に刺した。

 青い体液が地面に広がる、蜘蛛を乗り越えて階段を上がる桜、そしてルーカスの名前を叫ぶ。

「お~いルーカスどこだー!」


 ルーカスの耳に呼び声が届く、ルーカスは声のする方向へ一目散に向かった、そして桜と再開を果たした。

「無事だったか・・・ほら君の銃だ」

「ブラックパニッシャー!ああ良かったどこも壊れてないよね!心配したんだぞー」

「俺の心配はなしかい!」

「お前も無事でなにより・・・」

 適当に扱われ落ち込むルーカス、ルーカス桜の背中に背負ってるブレードに見覚えがあった。

「それまさか隊長の」

「ああ、死体から拾った」

「そうか、もう本当に俺だけか生き残りは」

「なに言ってんのよ!私もでしょ!」

桜が珍しく他人を笑顔で励ました。

「そうだな、高周波ブレードも扱えるのか?」

「まぁ、感で使ってる」

「感て・・・子供の玩具とは違うぞ大分、いいか使用後はちゃんと鞘にしまえよ高周波を常に帯びてるから鞘にしまわないとオーバーヒートするからな」

心配してルーカスは使い方を簡単に説明した、そして桜が落ちた部屋へ一旦二人で引き返した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ