遭遇と恐怖 後編
肉体が劣化していないゾンビを避ける為に、桜とルーカスは進行ルートを迂回し島の西の方向へ進んだ、霧で視界が悪くいつ敵と鉢合わせしてもおかしくない状況。
桜がまた足を止める、それに釣られルーカスも足が止まる。
「どうした桜?」
「囲まれた、肉体の劣化してないゾンビに」
「なに!奴らに知性はない筈、とりあえず逃げるぞ!」
禍々しい叫び声が霧の森に響き、声の主は二人に襲いかかる。二人は、はぐれないように
目的地に全力疾走をするが、敵の足の方が数倍速い。
「ちっ!ルーカス敵数を数えろ!」
「え!?戦う気か!」
「当たり前だ、このまま逃げても体力を消耗したとこを狙われる!」
ルーカスはサブマシンガンを構えてスコープで敵を覗いて数える。
「四人だ!」
敵は素早い動きで木から木へ飛び移る様にして動く、桜とルーカスは銃でなるべく敵の動きを読んで打つ。
「一人、二人、ふたり始末したわ!」
桜の弾丸は見事に敵の眉間を二体とも貫いていた。
「うおぁぉぉ!一人始末、残り一体のターゲットロスト!」
「上よ!」
ルーカスは上に銃を構えるが遅い、敵が両手を伸ばしルーカスに掴みかかる直前で、桜の空中回し蹴りが敵の頭部を直撃、バキっという音と共に敵は地面に倒れた。
「貸し一つよ、どうせこうい類の物は噛まれたらアウトでしょ?」
「ああ、助かったぜ礼を言うが桜、君は何者なんだ?」
「ただの女子高生のテコンドーの師範代だよ」
「それすごいじゃん」
ルーカスは目を丸くして言った、そして敵の死体を調べる、よく見ると全員服はあまり汚れていない。使えそうな物がないか調べていると桜が口を開いた。
「この人たち、まさか飛行機の乗員?」
「そうみたいだな、半券がポケットに入ってた、お!タバコだラッキー」
「ちょっと、今吸わないでよ!てかあんた年は?」
タバコにライターで、火を付けてから一服するとルーカスは答えた。
「二十一だ、問題ないだろ?」
確かに年齢的には問題ないだろうが、それ以前の問題があるだろうという顔をする桜。
桜はポケットから、携帯を取り出す電波はなかったがGPSはまだ通信可能だった。GPS機能を使って現在地が何処なのかを調べ始める。
「そんな!どうして!私たち今海の上なんかにはいないのに!」
GPSが指し示した場所はなにもない真っ青な太平洋の海だった。
「当たり前だ、ここは戦時中に使われた切りで、実験施設には極秘の生物兵器の開発が行われてた、地図からは抹消されてる。」
「そんなじゃあ、脱出も完全不可能ってこと」
ルーカスはそれを聞いて、まだ諦めるには速いと答えた、彼は二日後にここにヘリがくると言った、但し無事ヘリがルーカスと桜を迎えるには、条件があった。
「その条件て?」
桜は息をのんで聞く。
「ヘリがくるまでに、実験施設内部の地下にいってサンプルDと描かれた試験管を持ち帰ることだ、もし果たせなければ始末される」
「始末って、私は無関係なのに!」
「この作戦を知った以上生かして置いてはならない決まりなんだ!本来なら君はとっくに殺されてるんだ」
桜は自分がトイレにこもっていたことを始めて幸運に感じた、それと同時に若干複雑で残念な気持ち。
霧の深い森で桜は決意する。
「殺されてたまるか、私は私自身の為にサンプルDを取りに行く。」
「賢明な選択だな、さぁ行こう時間がない」
二人は実験施設に向かう。
キャラクター設定 その2
ヤッホーあとがきです僕の大好きなあとがきです! 新キャラクターも増えたので書いておきまぁす。
ルーカス・ハル
21才
得意・好き タバコ パソコンいじり
嫌い・苦手 桜〈主人公〉 国とか政府
とある事件の濡れ衣をきせられ、死刑囚になってしまう可哀想な人、ある日死なずに済む方法を教えてやると教えられ連れていかれたのは、アメリカ軍訓練所だった。
桜「私一人が良かったな・・・」