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バイオアイランド seventeenth birthday  作者: デッド星奈
バースデーブレイク
2/11

終わりの始まり。

桜が睡眠を始めて数分後、アナウンスが入る「今回のフライトは悪天候の為ルートを変更いたします、なお到着時刻に遅れが生じる可能性がございます。」

睡眠したままアナウンスを耳で聞き取る桜、そしてその数分後に離陸体制に入る機体。離陸体制のせいで上半身がやや傾く感覚を覚えた桜は、気になって睡眠から目を覚ました。

「飛行機の離陸ってきついのね・・・飛行機なんて初めてだし・・・うわぁ酔ってきた。」

離陸体制がやがて終わりシートベルトを外しても構わないという意味を持つマークが座席から見える電光掲示板に表示された。すぐさま桜はシートベルトを外し口元を抑えて機内のトイレに駆け込んだ。

「うう・・・気持ち悪い、飛行機じゃなくてフェリーの方が良かったかな」

トイレでひざまずいて、顔色が真っ青な桜、独り言を呟くと口から嘔吐。さらに気持ちわるくなってしまい、しばらく身動きが取れずにボーっとしていると、客席から英語の怒鳴り声が聞こえてきた。

「うるさいなぁ?」

その怒鳴り声に混じって日本語の悲鳴が今度は聞こえてきた。しかし悲鳴はすぐに収まり、怒鳴り声だけになった。桜はトイレにこもったままで声だけを聞いて現状を把握した。


間違いない、ハイジャックされた。


「フリーズ!フリーズ!」

英語で動くなという意味の単語。桜はトイレにこもった状態から発見されれば、殺されると考えてトイレから出るのを止めた。だが同時に愛用の銃ブラックパニッシャーでの応戦を考えた。

「使ったこと無いんだよね人に向けては・・・相手は何人かな、武器は刃物?銃器?」

トイレの内側から壁に耳を当てて考え始める更に現状をよく把握する。

「相手は4人、サブマシンガンを装備人質の位置は変わらないわね、よし・・・こもってましょう。」

あっさり応戦を諦める桜。


数時間後

雷雲が機体を包む、一方桜はトイレでまた睡眠、だか機体が雷雲に包まれていた為雷の轟音ですぐに目が覚めた。通常飛行機は悪天候の場合雲を避けるが、ハイジャックのせいかルートの変更を行っていないようだ。

「ん?あぁ?うるさいなぁ雷・・・さすがにこもってるのにも飽きた。」

そう言うがすぐにハイジャックのことを思いだす。

「あーもう最悪の誕生日」

また独り言、しばらくして壁に耳を当てて客席はどうなっているか探る。

「物音ひとつない、そんな・・・誰もいない!」

すぐにトイレから飛び出して客席にもどる。

耳で聞いたとうり誰もいない、さらに操縦席を覗く、運転手すらいない。トイレで眠っている間に何が起きたか、わからず体が恐怖で硬直する。

誰もいない飛行機、雷雨の中1人絶望を覚える、桜。さらに追い討ちをかけるかのように雷が飛行機を直撃する。操縦席の自動制御システムがダウン。

「あ、私死ぬんだ・・・」

次第に機体が傾きコードが下がる、桜は何もかも諦めらていた。


機体はやがて垂直に下を向く、雲を抜けて海面が見える、真下を向いたままエンジンがかかっている。速度は機体のジェットタービンと落下速度で増していく。そして海面に激突。

機体は大破し海底に沈んだ。


数時間後


「うう・・・あっ、痛たた・・・ここは?どこ?」

「私は生きてる?」

赤いジャケットを着た少女が目を覚ます、目を覚ました場所はどこかわからない砂浜だった。

「とりあえず生きてて良かった、でもここはどこなの?」

孤島で1人の少女が起き上がり回りを見渡す、そして自分の体についた海藻を取り払う次に愛用の銃ブラックパニッシャーのハンドガンがあるかを確認する。

「ある・・・」

砂浜の天候は悪く豪雨が降り続けていた、桜はすぐに雨のしのげる場所を探すため砂浜の奥にある森に入って行った。

「この木のそばなら雨はしのげる」

木のそばに桜は座って服が乾くのを待った。ふと木を見上げる。

「きゃ!」

木にパラシュートで絡まってる白骨化死体をみつけた。よく見るとパラシュートにはアメリカの国旗が描かれていた更に軍服。桜は首を傾げて考える。

「ここはアメリカなのかな?」

やがて雨が止んで深い霧に包まれる、日中にも関わらず霧のせいで視界が悪い。

「この島誰かいないのかな?誰かー!助けてー」

呼びかけも虚しく霧に飲まれる、誰も返事をしない、仕方なくその場を離れ砂浜へ戻る霧は森だけではなく砂浜をも飲み込んでいた。

「この霧なにかおかしい・・・」

そう思いながら砂浜沿いに東に進んでいく。


パシャ


足元で何かを踏み潰す感触がする、恐る恐る足元をみると、腸を引き裂かれ内臓が剥き出しのスーツを着た人間だった。

「・・・え、なにこれ嘘、飛行機に乗ってた人」

飛行機の中で見覚えのある顔の人間だった、その変わり果てた様子と言ったらもうひどい有り様だった。桜は急いで足をどける、そして死体がなにか手に握ってることに気がつく。

血で汚れてしっかり読めない。

「えーと・・・なになに、ハイジャックの手引きは順調だ あとは乗員が大人しくしてれば俺は自由の身だ、あの島に奴らはなんの用が・・・」

あとは一面血で染まっていて読めない。

「この人がハイジャックの手引きをなんの目的で・・・島って・・・まさかここは島?」

現在地が島であることを把握した桜は、同時にハイジャック犯もこの島にいるという可能性があることを知る。身が震える恐怖なのか怒りなのかどっちかは誰も分からない。もし怒りなら誕生日とクリスマスを台無しにされたこと、もし恐怖ならハイジャック犯が同じ島にいること。

「少なからずこの島には誰かいるのね」

誰かいる、そう思うのはハイジャック犯が誰もいないところに行く訳がないと思ったからだ。


ジャリ、ジャリ


後ろで足を引きずるような歩き方をする音がする。桜は振り返る

「誰!」

近寄ってくる足音の主は血まみれで顔は皮膚がほとんど剥がれ落ちていて左腕がなかった。

「・・・キャァアアア!」


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