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第1話 俺も最強チートになりたい!!!

第1話 俺も最強チートになりたい!!!

「はぁぁぁ……俺も異世界行きてぇ〜」

 俺は阿良木龍夜(あらきりゅうや)!リアスト学園三年!

 黒紫のバンダナがキマってるイケメン!この物語の主人公だ!

 

「異世界?ミジンコになりましたってやつか?」

 この赤髪は、神崎新羅(かんざきしんら)。リアスト学園二年。

 まぁ、俺の次のイケメンだな!

 女たらしだが、何故かモテてるやつだ。


 ……俺はモテねぇのに。


「ばーか、ミジンコになって何ができんだよ。

 俺がなりたいのは、異世界転生したら最強チートでイージーモードになりました!ってやつよ。」


「へー、弱そう。」


「弱くねぇーよ!!!最強チートだって言ってんだろー!」

 こいつは本っ当に、俺の事を馬鹿にしてくる、俺より年下のくせに。

 まぁでも、頭も良くて魔力も高くて、何でも出来るやつだから、頭は上がらねぇけどな。


 ついでに神崎家に居候させてもらってるし……((ボソッ

 

「あれだろ?死んだら異世界に飛ばされましたみたいな」

「おー!知ってんじゃん!!意外と神崎く〜んもアニメとか見るのね(はぁと)」

「いや、見てないけど。」

 ピシャリと閉め出された。俺のハートの目は見向きもせず。


「……でも一回死ななきゃ行けないってのがネックなんだよなぁ……

 なんか死ななくても行けそうな魔法陣書いてよ。」

 

「えー、俺がやるの?さくらぎに頼めばいいじゃん。

 創作者なら異世界転生とか出来んだろ。」

 

「いや、そう言うメタな事言うなよ。

 そんな簡単に世界を作ってくれる訳――」


 コンコンと壁際をノックする神崎。


「はいさーい、なんか御用で?」

 

 突如として長方形に切り取られ、ぷしゅーっと音と共に壁が下にスライドして開いた。

 

 暗い空間にネオンで型どられたパソコンやタブレットやらが置かれた、キラキラした創作部屋の中に、グレーのショートの髪に、季節外れの大きめのグレーマフラーをしてる女の子がいた。


「げ、んなとこにいるんかい。」

 ここはただの空き教室、俺達は誰も来ないこの教室を住処にしていた。


「呼ばれて飛び出て、じゃじゃじゃじゃーん!ぼくはどこへでも移動できるのさ〜♪」

 歌いながらぴょんっと降りてきたこの女の子は、このリアスト学園や色んな物語を創作している、創作者さくらぎちゃん。

 ……めっちゃメタいけどな。


「さくらぎ、こいつ異世界に憧れてるんだって。」

 神崎が俺を指す。

「そうそう!最強チートで異世界イージーモード!ってやりたくてさ!!」

 俺は胸をドンッと張る。


「ほへぇ〜、最強チートね……いいよ!書いてあげる!!!」

 にこにこっとした笑顔で了承してくれた。

「まじか!?サンキューさくらぎちゃん!!!」

「えっへへ〜!最強チートね〜!楽しそうだね!!」

 さくらぎは浮いてるタブレットにポチポチと打ち込んでいる。

 

「いやぁ、楽しみだなぁ〜!もう無双し放題じゃん!」

「ミジンコからじゃないのか……」

「いやお前はいつまでミジンコに囚われてんだよ!」


 ミジンコ好きなのか……?


 ピピッと、タブレットが鳴る。

「設定出来たよ!どうせなら学園の皆巻き込んでごちゃまぜで行こ!!」

 

 学園全体を巻き込んで、たくさんの人間を連れていくのか、楽しそうだ!

 

「おーっ!いいね!俺の事最強チートにしてくれた!?」

「やっといたよ!他の人は自由設定だけど、最強チートだけは、チートだから僕がやっといた!とびきり最強チートにしたよーっ!」

 さくらぎはピースをしていた。可愛いやつだ。

 

「よっしゃー!!じゃあ行こうぜ!!」


「おっけー!じゃあこのスタートボタン押して!」

 さくらぎはタブレットを俺に見せた。


「いよーし、いよいよだ…!!行くぞ神崎!!」

「はいはい」

 

 神崎は呆れつつも付き合ってくれる。


「レディ〜!ゴーッ!!」

 

 ポチッ。


 ボタンを押した瞬間、世界が真っ白になり。


 気が付くと俺は、広い平原に来ていた。


「きたきたきたーっ!

 異世界転生したら最強チートすぎてイージーモードになりました!!

 タイトルはこれで決定だな!!!

 ……って、あれ?神崎は?」

 周りを見ても俺一人しかいなかった。


「最初から一緒って訳じゃないのか……

 あ!そうだ!俺のステータス見よ!

 最強チートはどんな能力なのかなぁ〜♪」


「えーと、どこで開く?

 あ、ステータスって言って開くやつ??

 ……よし。」

 

 俺は一息吸った。

 これから始まるのは、

 俺が最強チートで無双してみたの幕開けだからだ!


「さぁて……俺の最強チート、

 拝ませてもらおうか……!ステータスっ!!」


 目の前に画面が開く。

 

 ステータスが現れた。


「……ん?」

 

「は?え?まって、ん?はぁ???」

 

 俺はステータスに書いてあることが信じられなかった。

 

【ステータス:阿良木龍夜(あらきりゅうや)

 役職:最強チート  レベル:1

 HP:105 MP:25

 スキル:ジ・エンド MP9999

 説明:魔王のみに発動する、物語を終わらせるチート技。


「………………。」


「はぁぁぁぁぁあああああ!?!?!?」


「なんだこのクソ能力ーーっ!!!

 最強だけど最強じゃねぇじゃん!!!!!

 ふざけんなーーーっ!!」

 

 魔王のみに発動って言う馬鹿げた能力に、俺は唖然とした。


「はっ!?そうだ、きっと間違いだ!!

 さくらぎちゃんに聞いてみよう!!!

 えーっと、……ヘルプ!!」


 何も起きない。


「……ヒント!!」


 空は青い。

 

「システム!!」


 雲が漂っている。


「運営サポート!!!」


 そよ風が吹いていた。


「仕事しろよ!!ばか作者ーー!!!!」


 一瞬、強い突風が吹いた。


「ひっ!すみませんっ…!」


 俺は瞬時に態度を改めた。

 世界に怒られた気がした。怖かった。


「い、いや、待て!!敵を倒せばレベルアップで新しい技覚えるかもしれねぇ!!!」


 ……多分。


 いや、絶対そうだ。

 RPGってそういうもんだ。

 俺は詳しいんだ。異世界漫画読んでるもん!


「よし!仕様を信じろ俺!!」

 

 俺は敵を探すために、平原を歩いた。


 しばらく歩いた頃、前方の岩陰に何かの小さな影が見えた。

 

「おっ、もしや雑魚敵か!?」

 俺は影の方に走っていった。


「あーっ!いた!!!」

 岩陰に隠れていたのは空色のスライムだった。


「よっしゃ!お前を倒して経験値ゲットだぜ!」

 俺はスライムをパンチしようと手を振りかぶった瞬間、

 スライムは高く飛んだ。

 

「んなっ!?えっ!?どこいった!?見えねぇ!!」

 

 高く飛んだのは見えたが、空と同化して全く見えなくなった。

 

「くそぉ、姑息な真似しやがってぇ!!」

 俺は執念深く、空を見た。

 

「……っ!!いたっ!!!」

 微かに雲と空の間で動いてるものを見つけた。

 

「逃がすかぁぁっ!!!」

 俺は経験値のために、スライムを追い続けた。


 数時間後――


「はぁ、はぁ、はぁ……あの野郎……落ちては飛んでを繰り返しやがって……はぁ、はぁ……」


 スライムは未だに捕まらず逃げていた。

 俺は息が上がり、走り回ったため体力も尽き、地面にあぐらをかいて座り込んでいた。


「くそぉ、経験値すら手に入らんかった。

 スライムって雑魚モンスターじゃないのか?」


「……つか、他の奴はどうしてんだろか。

 学園全体巻き込むって言ってたよな。

 誰かしらと会ってもいいはずなのに、

 誰ともすれ違わん……なんでだ。」

 

 俺は独りで考えている間に、背後から危険が迫っていることに気付かなかった。


「ぷるるっ!」


「……ん?腹鳴ったか俺。」


 

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