表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

息子と白狐

それから1年半後、その日は、うちの子達の名前のもとになった記号の仲間が追加される日でした。

(楽しみです!正式に発表されるまでは寝れませんよ…)

偶然起きていた清浄(ゼプト)と深夜の街を散歩しながら、まだかまだかと待っていたんです。

すると突然、清浄(ゼプト)が変な事を言い出しました。

「あ!親父みて、まっしろなきつねさんがいるー!あんな道のまん中でなにしてるのかな?」

「はい…?何も見えませんが…」

清浄(ゼプト)が指を差した方を見ても、そこには何もありませんでした。

「ほら、今こっちむいたよ!もう目が悪くなっちゃったの!?」

「そう言われましても…きっと乱反射か何かですよ。…いや、そんなわけ無いですか…」

(まさか本当に老化…流石に早すぎますって!)

「もういーよ!ぜぷとがはなしかけてくる!」

「ちょっと、急に道路に出たら危険ですよ!!」

僕の制止を振り切って、清浄(ゼプト)は道路に出ていきました。

「きみ、おうちは?かぞくはいるの?」

(何もない所に話しかけて…心配です…)

「よかったらうちにこない?ここにいたらあぶないよ!」

「えと、一応僕が、家の主なんですけど…」

知らぬ間に話がまとまってしまいそうだったので口を挟んだのですが…

「だってぜぷとがペットかいたいって言ったら、親父ゆるしてくれるでしょ?」

「当然ですよね」

すんなり許してしまいました。うちの子には弱いんです。

「じゃあいーじゃん!うちにきてもらおうよ!」

そう言って虚空を撫でる清浄(ゼプト)

「でも見えないとなると少々不便で…あっ、今ぼんやりとですが見えました!」

(どういうわけか、清浄(ゼプト)が触っている間は少しだけ見えるみたいですね…)

直後、狐らしきものの力が抜けた様に見えました。

「きつねさんどうしたの!?」

「これは…恐らく眠ってるだけだと思いますよ。清浄(ゼプト)が撫でた事で安心したのかもしれませんね」

「そっか!よかった…」

家に呼んでいいと言ってしまった手前、置いていくわけにはいきません。

清浄(ゼプト)に場所を教えてもらいながら狐を抱え込みました。

「さて、連れて帰るとしましょう」

「うん!」

しばらく歩いていると、僕は名案を思い付きました!

「あ、帰ってから数時間、この子をお預かりしても良いですか?」

「え、いいけど…なにするの?」

心配そうな清浄(ゼプト)に僕は笑顔で答えました。

「貴方の妹を作ります!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ