表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

降臨記念日

2年半後、ペンダントで大きさを変えられる2体の人形を作りました。

「ふぅ…やっと完成しましたよ…」

天使と悪魔を象った、それぞれ銀髪金眼、灰髪紅眼の対照的な姿。そしてなんと言ってもツインテール!

完全に僕の好みです、はい。

(さて、あとは最終確認ですね)

早速ペンダントを付けて、観察する事にしました。

すると、一瞬で17歳くらいの見た目に変化したんです!

「やりました、成功です!!」

あまりの嬉しさに両手を投げ出して喜んでいると、突然後ろから声が聞こえました。

「うぅ~ん…あれ、ここは…?」

(あ、やはりそうなりますか…)

あの清浄を参考に実験を進めたんです、人格が宿ってもおかしくないと、僕もわかっていたんですよ。

あくまで想定内、という風を装って、ゆっくりと2人の方を向きました。

「あなたはだれ…?」

「はじめまして、ここは僕の家ですよ。そして、僕は久遠永茉(クオン トーマ)と言います。僕の事はお父さんだと思っていいですからね」

「わかった!よろしくね、パパ」

天使の方が冗談をあまりに素直に受け止められたものですから、不意打ちの破壊力に思わずぶっ倒れてしまいました。

「ぱ、パパ!?」

「う…嬉しすぎて…」

(世の親達は初めて子供に呼んでもらえた時、こんな感覚なんでしょうね…)

その時、僕側は2人の事をどう呼べば良いのか決まってない事に気付きました。

「あ、そうだ!2人に名前を付けましょう!えーと…刹那(アト)涅槃(ヨクト)でいかがですか?」

『アト(atto)…10のマイナス18乗を表す国際単位系における接頭辞の1つ。記号はaで、漢字文化圏の"刹那"にあたる。フェムトの1/1000、ゼプトの1000倍である。』

『ヨクト(yocto)…10のマイナス24乗を表す国際単位系における接頭辞の1つ。記号はyで、漢字文化圏の"涅槃寂静"にあたる。ゼプトの1/1000である。』

(清浄(ゼプト)の前後の記号から取ったのですが…)

「アト…うん、気に入った!」

天使の方…刹那(アト)は秒で受け入れてくれましたね。

悪魔の方、涅槃(ゼプト)も、最初は不満そうな顔をしていましたが、即答する刹那(アト)を見てすぐに認めてくれました。

「よろしくな、アト…とう」

「うん!ヨクトちゃん、よろしくね!」

(とう…?)

「あの、涅槃(ヨクト)…とう、とは?」

「お前の事だよ」

どうやら、お父さんと呼ぶのに抵抗があるみたいですね。

まあ、こちらの反応が普通なのかもしれませんが…

(仲良くなれば、自然に呼んでくれる様になるのでしょうか…?)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ