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五拳聖とは何か!?緊急レポート!!


それでは《大和裏武衆》が誇る最強の拳士集団―


五拳聖ごけんせい


についてご説明をばさせていただきますっ。


太古より、大和の裏に潜み続けた異端の拳法家たち。

「力による統治こそ、真なる和」と信じ、聖徳太子の理想に反旗を翻す裏の精鋭。


その五人はすべてが一流。技・心・魂において、いずれも一騎当千の覇者である。



■一の拳聖《蘇我馬子そがのうまこ


異名:策拳のさくけんのみかど

拳流:偽言拳ぎげんけん


裏武衆の実質的な指導者。

直接殴ることはせず、言葉と精神操作で相手を翻弄する“言霊の拳”を使う。

会話中に仕込まれた誘導術は、拳を交える前に勝敗を決めることさえある。

また、政治的手腕にも長け、朝廷の裏で蠢く影の支配者でもある。


「人心を制する者こそ、真の拳士よ」



■二の拳聖《弓削道鏡ゆげのどうきょう


異名:力天童子りきてんどうじ

拳流:巨天力法きょてんりきほう


人智を超える怪力の持ち主で、身の丈は二メートルを越す大男。

拳一つで山を崩し、川を堰き止めるとまで噂される。

肉体を神仏と信じ、筋肉信仰に生きる狂信的な修験拳士。


しかしその拳の裏には、虐げられた過去と「救われなかった者たち」の嘆きが宿る。


「拝め! 俺の筋肉が、すなわち仏なり!!」



■三の拳聖《斑鳩阿佐いかるがのあさ


異名:影のかげのはな

拳流:幻花流影掌げんかりゅうえいしょう


美貌のくノ一にして、幻術と拳法を融合させた異能の使い手。

拳に香を練り込み、視覚・聴覚・嗅覚を狂わせることで、相手に“嘘の現実”を見せる。

その拳は幻か現実か判別不能。


過去に太子と何らかの関係があったと仄めかされているが、詳細は不明。


「貴方の見るこの拳は、果たして本物かしら?」



■四の拳聖《出雲剛蔵いずものごうぞう


異名:地裂の猛牛じれつのもうぎゅう

拳流:荒神岩砕拳こうじんがんさいけん


出雲の古社に仕えた山岳武闘者。

拳より先に足が動く、突撃型の猪突猛進拳士。

戦えば戦うほど力を増す“憤怒の鎧”を身にまとい、理性を捨てた拳の暴風と化す。


意外にも詩作と茶道が趣味で、戦の合間には一句詠む癖がある。


「拳で語れ! 言葉なんぞ、砕けちまえ!」



■五の拳聖《賀茂明かものあきら


異名:天命観者てんめいかんじゃ

拳流:星辰導気拳せいしんどうきけん


未来視を用いる陰陽師拳士。

星の運行と気の流れを読むことで、数秒先の行動を予測・制御する。

彼の前では“先手”という概念は消滅する。太子の“聴心”ですら読み切れぬ存在。


しかし予知の果てに“悲劇的な未来”を視てしまっており、それを回避するために裏武衆に身を置いている。


「拳は過去に学び、未来を撃つ。私の拳は――未来の痛みを知っている」



以上が、裏の拳士集団《五拳聖》。

それぞれが聖徳太子の「和の拳」に反する「別の和」を掲げ、独自の正義と痛みを背負った強者たちです。


次章で太子は、この五人とひとりずつ拳を交え、そして彼らの心に触れていく――

それはまさに、太子の聖なる拳の旅路でもあります。


ご希望あれば、次話(第六話:馬子との戦い)へ続けます!

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