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道鏡ロボ襲来

 轟音とともに、空が割れた。

 降臨するは、禍々しきメカ僧――道鏡ロボ壱號機ダイソウショウ・プロトタイプ

 装甲は銅像、コアは経典、動力源は「未来人類の欲望と信仰」。


「聖徳ォオオオ!! 我は歴史を正す者なりッ!」

轟く電子声、響く機仏の念波!


 それを真正面から受け止めるのは、古代日本が誇る超知性、聖徳太子。

 しかしその姿は、いつもの穏やかな貴公子ではない。


 ――上半身、裸。

 ――六道を背負うタトゥーがうっすらと浮かび上がっている。

 ――胸には、「和」の文字が赤く燃えている!


「道鏡……仏をナメるなよ。貴様の説く未来、まるで笑えん」

「こちとら十七条憲法、全部暗記してんだ。ついでに、“拳法”として再構築もしてるッ!!」


 太子、構える。

 風が止まり、鹿が見守る。


 


 ――《太子の拳・第十条 奥義》

 「怒りに流されず、怒りで殴る!!!」


 拳が火を吹いた。仏光すら灼き尽くす一撃。名付けて――


「十七条拳法・憤怒無尽脚ふんぬむじんきゃく!!」


 太子が宙を蹴る! 五連跳躍! 奈良の空を翔る!

 拳が、道鏡ロボの胸に突き刺さる――ッ!


 が、ロボの腹部装甲が開き、仏像ミサイルを乱射!


「南無三千仏・連装念仏砲ッ!!」


 爆光! 焼ける大地! 燃える寺!


 


 しかし、煙の中から歩いて出てくる男がいた。

 ――聖徳太子である。


 全身煤けてボロボロだが、目だけは燃えている。


「……道鏡、おまえの未来がどんなに強かろうがな」

「こっちは1300年分、民の“願い”背負ってんだよォォ!!」


「太子の拳・終ノ型――十七条同時詠唱、零距離爆撃ッッ!!」


 


 太子が唱える――十七条憲法、すべてを一気に。

 それはまさに“言霊爆撃”。

 条文ひとつひとつが、拳に、蹴りに、頭突きに変換され、全身全霊の連撃となって道鏡ロボに炸裂する!


 道鏡ロボ、呻く!

 「ウワアアアアアァァァァァッ!!」

 目からビームが暴走し、頭頂の菩薩レーダーが崩壊!


 


 そして、太子――渾身のラスト一撃。


「この世に、たった一つ残すべきは、“和”だッッ!!!」

「――くらえッ、和一文字・超昇龍拳ッッ!!」


 ドォオオン!!!


 道鏡ロボ、空の彼方へ消えていった。

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