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無限の幻

太子が氷壁宮を抜け、次の試練へと進もうとしたその時、背後から鋭い声が響いた。


「太子!それは無限ループってやつや!」


振り返ると、馬子が疲れ切った表情で立っていた。



太子はその言葉を反芻する。確かにここまでの試練は果てしなく繰り返される幻のようだった。


「全ては随の帝が見せた幻…俺たちは彼の罠に囚われているのか」



馬子は拳を握りしめ、続ける。

「幻の中で戦っても意味はない。真の敵はこの羅刹殿の奥にいる随の帝だ」



太子は冷静に頷いた。

「ならば、この幻を断ち切り、真実の道を切り開くしかない」



二人は拳を合わせ、幻の羅刹殿を打ち破る決意を固める。


「無限ループなど、俺たちの拳の前には意味を成さぬ!」



その瞬間、羅刹殿の空間が揺らぎ、幻が割れ始めた。


真の試練はこれからだ。太子と仲間たちの拳が、幻と現実を超えて進む――

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