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竜の試練

太子が虚空の剣の試練を終え、天鳳宮の大広間へ戻ると、

そこには巨大な龍の姿をした審判者が待ち受けていた。


「我は天龍宮の裁き手、龍の試練を受けよ」

その声は轟き、床が微かに震える。


 


太子は拳を構え、静かに返す。

「受けて立つ。龍の試練とは?」


龍は空気を切り裂き、炎を吐き出す。

「この試練は、力と智慧の試み。

 単なる拳の強さだけでなく、心の柔軟さも問われる」


 


試練の舞台は宮殿の外、広大な龍庭りゅうてい

そこに並べられた数々の仕掛けと幻影。


太子はまず最初の幻影に挑む。

それは、かつて守れなかった民の姿だった。


「なぜ、あの時守れなかったのか?」

幻影の声が問いかける。


太子は拳を握りしめながら答えた。

「力不足だけでなく、まだ自分自身が未熟だった。

 今なら違う、必ず守る」


 


次に現れたのは、己の未来を示す幻。

「このまま進めば、独裁者となり民を苦しめるだろう」


太子は冷や汗をかくが、すぐに拳を掲げた。

「僕は自分の未来も変える。拳は支配のためじゃない」


 


龍は試練を続け、太子の心の奥底を試した。


やがて龍が空高く舞い上がり、最後の一撃を放つ。


太子は全身全霊で受け止め、反撃の拳を叩き込む。


炎と風の激突。天地が震え、龍庭が揺れる。


 


戦いの果てに、龍は静かに地に伏した。


「お前の拳は、ただの力ではない。

 それは心と智慧が織りなす力だ」


 


太子は息を整え、深く一礼した。

「ありがとうございます。これからも拳と共に、

 民と世界を守ります」


 


天鳳宮の審判は続く。

だが太子の拳には、確かな光が宿っていた――


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