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炎の拳!!馬子の人材管理術!!

バチィィィン!!!


その拳は、まさしく鉄槌だった。

蘇我馬子の拳が、真正面から蘇我倉山田石川麻呂の顎を撃ち抜いた――!!


「ぬおっ……!?」


鮮血が夜空に飛び散る。次の瞬間、石川麻呂の肉体がスローモーションのように宙を舞った。

そのシルエットが、背後の満月を切り取る。


「遊びに行くんじゃねえ。これは、死出の旅路だ。覚悟のねえ人間がいたら、足を引っ張る。お前の拳……見せかけの正義ばっかりで、ちっとも芯がねぇんだよ。それじゃあ。失格だ!」


馬子の声は低く、地を這っていた。


ドサァン!!!


石川麻呂が甲板に叩きつけられる。

鼓動が止まり、白目を剥いて、動かない。


太子が駆け寄ろうとする、その前に――馬子が手を出した。


「いいんだ、太子。こいつは……まだ弱えだけだ。心の芯が通りゃあ、また立ち上がるさ。だろ? 石川麻呂」


答えはなかった。だが、わずかに、倒れた麻呂の指がピクリと動いた。


そのとき――


ゴォオオオッ!!


突如、拳随丸の下、海が渦巻いた。嵐の兆しだ。


「太子よ。急げ、この旅は……甘くはないぞ」

小野妹子が、鋭い目をして言った。

「隋では、我らを“拳”で迎える者たちがいる。強き拳なき者に、国の未来は託せぬ。馬子の言うことは、乱暴だが、もっともだ」


太子は頷いた。

そして、甲板に倒れる石川麻呂を見つめた。


「……待ってるぞ。お前の“拳"が、本物になる日まで」


担架で運ばれる石川麻呂。

しばらくして船は出航した。


波を裂いて、船は進む。

かつての敵、蘇我馬子は、もはや仲間。だが、次なる敵は、海の向こう――隋!



次回!

第十章「激闘!拳随丸、襲撃される!!」

太子たちを襲う、謎の“拳隋”刺客団。その中には、かつて日本を去った幻の拳士の姿が!?

次回、爆裂拳撃、必至!!

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