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前世の情報が過多な件について神様に聞いてみたら、余計な力を授けられたのだが  作者:


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波乱の辺境伯領8



「お嬢様、少し休憩をされては如何ですか?」


カステッドの言葉に文献から顔を上げる。


どうやら、集中していて時間を忘れていたみたい。



「そうね。キャサリン、人数分のお茶を入れてくれる?」


「かしこまりました」


キャサリンは直ぐにお茶の準備に取り掛かってくれる。


古い文献は文字がかすれている所もあり、中々解読が進まない。


領民を心配する気持ちが焦りとなって、上手く考えも纏まらないし。


野獣が凶暴化する原因なんて、本当に検討もつかないんだよ。



外的要因なのか、迷いの森に何か異変が生じているのか。


実際に迷いの森に行ってみるには、もう少し情報が無いと動けない。



こめかみを指で掴んで軽く揉む。


文字を読みすぎて目の奥が痛い。



「隣国の次は迷いの森だなんて、辺境伯領は本当についてないですね」


「本当に……」


ヨヒアムの言葉に同調する。


私を含む4人は、疲れに目の周りが薄黒く縁取られていた。



「冷めないうちにどうぞ召し上がってください」


キャサリンがテーブルに置いてくれたカップからは湯気がゆらりと立ち上る。



「ありがとう」


砂糖を2個入れかき混ぜるとそれを口へと運んだ。


ふわりと香るカモミールティーの香りと温かさにほっと一息つく。



「皆も、座って休憩して」


まだまだ長丁場になりそうだし、立ったままなんて無駄に体力を使うだけだ。


3人がテーブルに着いたのを確認して、私は椅子に体を預け目を瞑る。



ずっと緊張していたら体が持たないのは分かるけど、今は少しでも情報が欲しい。


迷いの森近くの村々から、集められた古い資料がテーブルに山積みにされている。


まだ目を通せていないものも多い。


手分けして作業しているものの、これと言った対策を見つけられないでいた。


数百年前にも同じ様に野獣が凶暴化した記述は見つけたものの、その原因までは分からなくて。



「ジェフ様の到着は明日かしら?」


「はい。早駆けで戻ってきた騎士の報告では順調に行けば明日には」


「更に忙しくなるわね」


カステッドの返事に出たのは大きな溜め息。



「出来るだけ早く帰って頂かないとね」


「ええ、本当に」


「怪我なんてさせたら、大事になるだけだわ」


誰に言うでもなく吐き出した言葉に、その場にいた全員が無言のまま頷いていた。



辺境伯領は今、物々しい空気が流れているのだし、そこは気遣って帰ってくれるといいのだけれど。


平常時なら喜んで出迎えたかも知れないが、今は迷惑でしかないのだから。


いつも読んでくださりありがとうございます(⁎-ω-⁎))"ペコンチョ

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いつも読んでくださる読者様に感謝を(ㅅ´ ˘ `)


アリーシャの今後の活躍を楽しみにしていてください(◍´꒳`◍)

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