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前世の情報が過多な件について神様に聞いてみたら、余計な力を授けられたのだが  作者:


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波乱の辺境伯領7




皆が、凶暴化した野獣の対策を練るために慌ただしい日々を過ごしてた。


そんな時に突然届いたのは不幸の手紙。


いや、まぁ、本物の不幸の手紙では無かったんだけど。


今の私達にとっては、不幸の手紙にしか思えないやつで。




「まったく、兄上も何を考えているのか」


王印で封蝋された封筒から手紙を取り出し目を通しながら、お父様は盛大な溜め息をつく。



「どうかされたのですか?」


「アリーシャの誕生日プレゼントが用意出来たから届けると言う話なのだが、届ける人物が問題だ」


お母様の問いかけに答えたお父様の声は呆れを含んでいた。



そう言えば、陛下が馬以外の何かを送るとか言ってた事を思い出す。


本人はすっかり忘れていたのに、律義な事だ。



「誰が来るんですか?」


お兄様は小首を傾げる。



「ジェフリート王子だ」


「なぜ、この時期に王太子殿下を送ってるでしょう」


お母様は迷惑だと顔を顰めた。



なんて、タイミングの悪い。


辺境伯領は今、混乱期なのだ。



いったい、何をしに来るのよ。


迷惑でしかないじゃないか。



「お断りすることは出来ないのですか?」


ため息混じりにそう聞けば、


「この手紙を出して、直ぐにこちらに向けて発ったそうだから、もう半月の猶予も無いだろう」


表情を無くした顔でお父様も溜め息をついた。



いや、伺いを立ててから旅立て!


王族って、自分勝手ばっかりなのかな。



「こちらからも使徒を出して、途中で捕まえて帰ってもらうとか出来ないのかな?」


「アリーシャ、流石にそれは出来ないよ」


僕も本心ではそうしたいけどね、とお兄様が笑う。



「途中で、引き返す様に伝えるのは不敬と見られる可能性があるからね」


「貴族って、難しい」


お父様の言葉にしかめっ面になる。



「こちらの状況説明の信書は王宮に送られたのでますよね?」


お母様が小首を傾げる。


「ああ。ここに書いてる日付を見るとうちからの信書が届く前にこちらに向けて出発してしまったんだろう」


なんてタイミングの悪い事。


この時期と重なるなんて。



「王太子の御一行なら、それ相応の手練をつけているでしょうが、こちらからも迎えを出した方がよろしいのでは?」


お兄様の言うことも一理ある。


「そうだな。なんとも頭の痛い事だが対応しなくてはならないな」


難しい顔で頷いたお父様。


色んな意味で忙しくなりそうな辺境伯領である。




それから、オスカーを隊長にしたお出迎えに隊が組まれ、早々に領地を旅立つことになった。




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