王都と書いてまきょうと読む13
バラ園に迎えに来た案内の侍従者に連れられやって来たのは、謁見の間と言うよりは、会議室に近い場所。
中央にお父様によく似た王冠を被った陛下がいて、その両隣に王妃と側室だろうか。
そして、その両脇に王子が2人と姫が1人控えていた。
「本日はご招待頂きありがとうございます。辺境伯が長女アリーシャ・ブランシェットにございます。お初にお目にかかります」
綺麗なカーテシーをして、にっこりと微笑んだ。
「これはなんとも愛らしい。お主の兄であるヴォルフリードだ。我らは家族ゆえ肩の力を抜くといい」
「ありがたきお言葉にございます」
「我が家族を紹介しよう。右に居るのが王妃のスカーレット、その横に並ぶのは長男のジェフリード、次男のジャックリードだ。そして左にいるのは側室のアンネマリーと長女のソフィアローゼだ」
「皆様、若輩者ではございますがよろしくお願いいたします」
とびっきりの笑顔を送っておく。
親戚に悪い印象を与えるのは良くないものね。
「さぁ、皆席に着け。共に昼食にしよう」
陛下の一言で、事前に用意されていたテーブルへと移動することになった。
お父様に手を引かれ用意された席へと向かう。
お誕生日席で無かったことをほっとした。
陛下の隣に座れとか言われたら、恐縮してしまうもの。
お父様の隣で第2王子様の隣の席だった。
メイド達によって並べられていく料理、大人のグラスにはワインが注がれ、子供達のグラスにはフレッシュジュースが注がれた。
「アリーシャの6歳の誕生日を祝って、乾杯」
「「「乾杯」」」
「ありがとうございます」
陛下の音頭に合わせてグラスが掲げられ、少し照れ臭い気分でお礼を返した。
6歳のソフィアローゼだけが上手くグラスを持ち上げられずに、背後から専属メイドが補助していた。
この時点で、あれ? と違和感を感じた。
「アリーシャと呼んでいいかい? 僕はジャックリード、ジャックお兄様と呼んでくれていいよ」
「ジャックお兄様? 」
「うん、いいね。可愛い妹が一人増えた」
イケメンなお兄様が、もう一人増えた。
「アリーシャ、僕はジェフリード、ジェフお兄様だよ」
ジャックフリードリヒの向こうからジェフリードが微笑む。
「まぁ、お兄様が2人も増えてしまいましたわ」
片手を頬に当てて微笑んだ。
ジェフお兄様も中々のイケメンだ。
どちらも綺麗な金髪だけど、瞳は青い。
陛下も黒に近いが私ほどでは無いし、王女様は緑色だ。
認識障害かけといて良かったー、心の中でそう呟く。
「アリーシャ様は6歳にしては随分としっかりなさっていますね。食事を摂る姿も綺麗ね」
「はい、王妃様、母に教育を受けております」
「さすがマギアナね」
「母をご存知なんですか?」
「ええ、学友でしたのよ。彼女は元気にしているかしら?」
「はい、母はとても元気です」
「それは良かったわ。手紙で貴方の事をよろしく頼むと連絡をしてくれていたの。滞在中は何かあったら私を頼りなさいね」
「ありがとうございます」
お母様、私を心配して王妃様にお手紙を送ってくれていたのね。
心がほっこりした。
いつも読んでくださりありがとうございます(⁎-ω-⁎))"ペコンチョ
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