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王都と書いてまきょうと読む9



「すっかり待たせたね。眠くはないかいアリーシャ?」


身綺麗になったお父様はマッケンを連れ立って、私の部屋へと戻ってきた。


ソファーに対面に座り、キャサリンの用意してくれた軽食とワインを口にされている。


私はもちろんホットミルクだ。


こんな時間に食事を取るのはお肌に悪いからね。



「馬車で仮眠していたので大丈夫ですよ」


「それならば、もう少し付き合って貰おうか」


「はい」


「先程の会議で決まった事を少し話しておこう。アリーシャも知っておいた方が良いだろうからね」


真剣な顔でそう言ったお父様は、今日の会議で決まった事を掻い摘んで教えてくれた。



クリスホードは我が国を主体とした近隣諸国の連合軍と、明日隣国へと進軍するそうな。


ただしあくまでも内戦と言う形をとる為に、大きく集結しつつある隣国の反乱軍と、クリスホードが接触するまでの臨時警護と言う名目なのだ。


クリスホードが反乱軍と共に隣国の王都へ進軍後は、人道支援と称し物資や食料の補給部隊として国境近くに駐屯する手筈になっている。


そして、平定後の復旧活動及び人道支援を行う事で、隣国と和平条約を結ことになった。


我が国がクリスホードを保護した事で近隣諸国よりアドバンテージが持てたことは、かなり大きいと言う。


他国より一歩抜きに出た我が国にもたされる利益は大きくなるだろう。


女神の神託とは言え、国が動くと言う事は利益を見込んだから。





「クリス様には頑張って貰いたいものですね」


「ああ。必ず王位を手に入れて貰わねば。彼が亡くなり兄王子が王位につくような事になれば、クリスボード様に助力した国々に報復攻撃をしかねないからね」


「はい」


真っ先に被害を受けるのは辺境伯領だ。


そんな事になれば、領民の命が、生活が脅かされてしまう。



そんな事許さない……。


隣国が攻めてくるような事になったら、私はきっと後先を考えずに全力で対抗する。



「アリーシャ、そんな硬い表情をしなくても大丈夫だよ。隣国の民は、もう既に兄王子討伐へと動いている」


「そうですね。女神様の意思に逆らう者などきっとひと握りなはず。ただ、手負いの虎は侮れません」


「そうだね。でも、彼にはアリーシャが作ったアーティファクトがあるんだ、大丈夫だ」


「お渡しになられたのですね」


お父様に、即死攻撃を一度防ぐ魔法を付与した宝石を手渡していた。


私から渡すのは不味いから、お父様が渡すに値すると認めたら渡して欲しいと頼んでおいた。


万が一も、兄王子に王位につくチャンスを与えない様にと、私なりの保険だ。

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