再び神様参上!7
「今回、僕が出てきたのはアリーシャが隣国との現状を嘆いていたからなのは、分かるよね?」
「……」
へぇーそうだったのか。
面白半分に遊びに来たと思ってた。
「アリーシャ、その顔は面白半分で遊びに来たとか思ってたよね」
「そ、そんな事はないです」
どうして考えてた事がバレたのだろうか。
「ま、そこは置いとくとして。隣国はかなり前から危険な状態に陥っているのは、君達も知ってるよね?」
「そうですね。腐敗した絶対王政に抑圧された市民がいつ暴発してもおかしくはない状態です」
「それだけではなく、金と権力に目のくらんでいた元国王のせいで、隣国には負の感情が充満していてね、このままではその負の感情が野生の猛獣を魔獣へと変えてしまう」
「なんと……」
眉間に皺を寄せお父様は厳しい顔つきになった。
と言うからそれは初見なんだけど。
魔獣なんて、とんでもないものが出てきても困るんだけど。
談話室に居た全員が表情を固くした。
「女神も手を焼いていた問題でね。だからと言って、普通は僕が1つの国の事に介入する事はないんだけど。今回は僕の眷属が関わって来たから、少し知恵を授けようと思う。アリーシャの憂いを断つためにね」
「神様、ありがとうございます」
体操のお兄さんかよ! って思っててごめんなさい。
「良いってことよ」
そーゆとこだぞ、神様。
「あ、お話の続きをどうぞ」
ほら、さっさとさきに進みましょう。
「あ、でね。このまま強硬派のバカ王子が王位に着くと、前王の二の舞になるだろうから。穏健派の弟王子を王位につけなければいけない。ここまでは分かるね?」
「うん。強硬派の王子を引きずり下ろさないといけないんだね」
夜襲とかかけて、サクッとやるしかないのかな。
「アリーシャ、顔が怖いよ。まず、女神に隣国に神託を下ろさせようと思う。弟王子が王位に付かなければ国が滅ぶと」
「なるほど。教会と民衆を味方に付ける作戦ですか」
「惜しいが少し違うね。女神には隣国の住民全員に神託を届けさせる。かなり大変だろうが、こうなるまで放っておいたあの子の責任もあるからね」
女神様、ファイトです!
神様は案外スパルタなのかもしれない。
「それで、我々はどうしたらよろしいでしょうか」
「4日後、隣国周辺の王族及び教会の司教に女神からの神託を届けさせよう。隣国の王に弟王子が着くように尽力しなければならないと。そうしたら、君も国境近くにいる弟王子の保護をしやすいだろう?」
「ええ、そうですね」
「だよね! この国で弟王子を保護している間に、隣国の住民には頑張ってもらおう。あ、この国の人達がわざわざ挙兵までする必要は無いからね。そこは自国でカタをつけて貰わなきゃ。隣国には5日後に神託を降ろそう」
やっぱり神様はスパルタなんだろうと思う。