再び神様参上!3
「止まってヨヒアム! 危ないからまずそれをしまおう」
「し、しかしお嬢様」
「大丈夫、この光の玉は神様だから」
「か、神……」
そりゃ、そんな困惑した顔になるよね。
「やぁ、神様だよ!」
警戒しながらも剣をしまうヨヒアムの目の前で、光の玉はチカチカと光る。
「こ、これが……いや、この光の玉が神様なんですか?」
「うん。自己紹介してたの聞こえなかった?」
あの軽いノリの挨拶をヨヒアムにもしてたじゃないか。
「いえ、私にはただ玉が光っている事しか分かりません」
困惑顔のヨヒアム。
「あ! 彼の魔力量じゃ、聞こえないね。ごめんごめん」
聞こえないんかーい、ツッコミしてしまうのは悲しい性。
「挨拶してたけど、ヨヒアムの魔力量だと聞こえないみたい」
「あ、ああ、なるほど」
「危ない事はないから、壁際に下がっててちょうだい」
「かしこまりました」
ヨヒアムが定位置へと戻っていくと、光の玉は私の方へとすーっと戻ってきた。
「アリーシャか、それに準ずる魔力量が居ることすっかり忘れてたよ」
アハハと笑う神様に、
「それ、ほとんどいないんじゃないかしら?」
とジト目を向けた。
「で、本日はどの様なご要件ですか?」
いきなり現れるのを、本当にやめて欲しい。
「いや、なに、君が困っていたようだったからね。それに君の行った領地改革で領民の幸運値と感謝値が上がったおかげでこうやって、また具現化できるようになったし」
「どういうことですの?」
「前回説明し忘れたんだけどね。僕の眷属になった君が人々から受け取る幸運値や感謝値は、君を通して僕へと流れ込むんだよ。そして、神としての神格に影響するんだよね。おかげで最近神力も上がってきたんだよね」
「それ、忘れちゃいけない大事なことですよね」
「アハハ……僕ってドジっ子」
てへぺろ、とでも言い出しそうな神様の態度に、大きな溜め息がでた。
ほんとやだ、この神様。
罰当たりでもいいから、この光の玉を今すぐ鷲づかんで窓の外に捨ててやりたい。
「なにか、不穏な事を企んでないかい?」
「いえ、別に」
察しがじゃないか。
「それでね、今の状況を打開する策を与えようと思うよ」
擬人化してたら、ドヤっ顔になってるんだろうね、神様。
でも、打開をくれると言うのならば、もちろん聞く。
「それは大変ありがたいです」
「でしょ! って事で君の保護者も交えて話をしようよ」
なんだって……両親まで。
神様ってさ、そんな大勢に簡単に姿を見せていいんだろうか。
「分かりました。ただお父様は砦にいらっしゃるので、戻ってくるまでに少しお時間を頂くことになるかと」
「おっけーだよ! 準備が整ったら呼びかけてよ。じゃ、またねー」
チカチカと光ってすーっと薄れていった光の玉の玉。
前も思ったけど、本当にノリが軽すぎるのよ。
威厳をどこに置いてきたんだろう。
大きな息を吐き、やれやれと首を左右に降った後、私はお母様の元へと向かうべく部屋を出た。
いつも読んでくださりありがとうございます(⁎-ω-⁎))"ペコンチョ
面白かった!続きが見たいと思った方は、ぜひブックマークをお願いします。
感想やいいね!レビューなども、執筆の励みになるので頂けたら嬉しいです。
いつも読んでくださる読者様に感謝を(ㅅ´ ˘ `)
アリーシャの今後の活躍を楽しみにしていてください(◍´꒳`◍)




