2回目なんですが5
「貴方が神様だとして、どうして現れたんですか?」
ゆっくり体を起こし、枕を背もたれにして座り直した。
「……神様なんだって……」
ショックを受けた声を出されたところで、神様だという確証がないんだから仕方ないじゃん。
「とにかく、簡潔に分かり易く、説明をちゃちゃっとお願いします」
ペコッと頭を下げた。
「5歳児なのに、何故か手厳しい」
「そりゃ、過去2回の人生分の知識があるからですよね」
「まあ、うん、そうだよね」
光の玉が居心地悪そうにチカチカ光った。
「じゃ説明お願いします」
話はきちんと聞きますよ、姿勢を整え真っ直ぐに光の玉に向き合った。
「君が一番聞きたがってるだろう事から話そうか」
「うん」
一番聞きたいのは2つの過去の記憶を思い出した事。
「君には過去が2つあるよね? 人は死ぬとその人生を浄化されて生まれ変わる。本当なら君の過去の人生も浄化されて思い出す事はなかったはずなんだ」
「うん」
「でも……君は特殊というか、ちょっと手違いがあって……浄化されなかったと言うか……」
歯切れの悪い感じに話す光の玉。
「……今回思い出した騎士としての君の記憶は、この世界の1000年前に当たるんだ。そして、その後生まれ変わったのは地球の日本という国。そして
再びこの世界へと生まれ変わった。この世界と地球は別世界で、異なる神が担当していてね?」
まぁ、そうだよね? とこくりと頷いた。
「魂の浄化ってゆーのはなかなか複雑で、その世界で生まれた魂しか浄化出来なくてね……。君が地球に生まれた時にこの世界の記憶を持ったままになってしまっていたんだよ。そして、この世界に再び生まれ変わった時にも、地球での記憶を浄化出来ないまま生まれてしまった」
「……別の魂が別の世界に行く事ってよくあるんですか?」
私の魂って、行ったり来たりじゃない?
他の人にも頻繁起こることなのかな。
「……あ、うん、まぁ……余りにも魂が傷つき過ぎていたりしたら、別世界の神にお願いして魂を保護する為に預かってもらったりは、たまにはあるんだけど……」
「……私の魂が傷ついていたせいですか?」
「あ……えっと……うん、君の場合は少し特殊で……その……なんと言うか、その」
歯切れが悪すぎて、怪しくなる神様に怪訝そうに眉を寄せた。
「特殊ってなんです? もごもご言ってないではっきり教えてください」
はっきりと正しい事を教えてほしい。
「ぅん、そうだよね。君には伝えないといけないよね。君の魂は浄化する前に僕がうっかり落としてしまいました、すみません」
「はぁ?」
この神様、魂を落としたとか言い出したよ。
いやいや……ちょっと待って。