漂い始めた不穏な気配2
「父上、隣国が我が領地に兵を向ける可能性もあるという事ですか?」
「隣国に忍ばせた密偵からの情報では、まだそこまでには至っていないようだが、万が一も有り得る」
真剣なお兄様の質問に、お父様も難しい顔で答える。
夕飯を食べている時に、緊急で届いた手紙は、私達家族に緊張をもたらした。
密偵の情報によると、隣国の王が急に崩御した事で、穏健派と強硬派の王子2人が動き始めたと言う事。
隣国と接し、少なからず小競り合いをしてきた辺境伯領である我が家に、火の粉が飛んでこないとも限らない。
万が一の為にも、万全の体制を整えておかないと。
「内乱が起これば、避難民がこちらへ来る事も考えておかねばな」
おじい様も、いつになく苦々しい顔だ。
「はい。私は暫く国境の砦に詰めようと思っています」
「そうだな。それがいい。来るのが難民だけであればまだ良いが、それに便乗して野党や盗賊などの輩が紛れ込んでくるのが目に見える」
「ええ、我が領民を危険に晒す訳には行きません」
緊張した顔で頷き合うお父様とおじい様。
隣国からの侵入者……国境の砦からだけではないはず。
深い森を抜けてこちらに来る可能性だって、と思い当たり、はっとした。
「水車の村も危ないわ」
国境から近いあの場所は狙われやすい。
まだ、村と畑を囲む壁も建設出来てないのに。
人に見つからずに、壁を作る為、夜に動ける様に数日あちらに泊まり込んで作成に取り掛かるつもりで、民家から離れた場所に私の為のコテージを作って貰っている。
「アリーシャ、何を考えているか分かるが、それは許可できない」
「まだ、何も言ってないわ、お父様」
「その顔を見れば、何が言いたいのか分かるよ。私が砦に詰めている間はお前に付き添えないんだよ」
お父様と、壁を作る時はお父様が付き添い出来る時だと約束していた。
だから、壁作成が伸びていたのだ。
お忙しいお父様の都合が中々つかなかったから。
「でも、お父様、隣国が荒れて犯罪者がこちらに流れてきてからでは遅いのです」
今なら十分に間に合うのに。
私の力で守れる人達を守れなくなるのは嫌だ。
「ダメだ!」
「行かせてください」
「2人とも少し落ち着いてください」
お母様の言葉にお父様と私はボルテージを下げる。
興奮しすぎたと反省する。
「水車の村がどうしたのだ?」
おじい様、私の方を見る。
「国境近くの川沿いに、小麦畑を作り水車を建設すると、それに携わる者達が民家を建設し始めたのです。今ではちょっとした町に近い村が出来上がっています」
「ほぉ。アリーシャが貧民街の民や技術者を募って建設した水車の村か」
「はい。元々野っ原だったその場所は外敵や野獣の心配があるので、私が土魔法で壁を作る事になっているのです」
皆を集めた私にはその責任を負う義務がある。
いつも読んでくださりありがとうございます(⁎-ω-⁎))"ペコンチョ
面白かった!続きが見たいと思った方は、ぜひブックマークをお願いします。
感想やいいね!レビューなども、執筆の励みになるので頂けたら嬉しいです。
いつも読んでくださる読者様に感謝を(ㅅ´ ˘ `)
アリーシャの今後の活躍を楽しみにしていてください(◍´꒳`◍)




