2回目なんですが4
「やぁやぁ、初めまして、神様だよ!」
女性とも男性とも区別の付けようがないその声は、光の玉から発せられてる。
体操のお兄さんかよ! と思ったのはあまりにも軽いノリの自己紹介だったから。
胡散臭いことこの上ない。
「へぇ……」
素っ気ない声が出たのは、3回も転生した賜物だろうか。
「あれ? 反応少ない?」
「知らんがな」
「あれれ……思ってた感じと違うかな……」
戸惑いを含んだ声だった。
「私は何も見えてないし、聞こえてない」
うんうん、そうしよう。
きっと夢の続きだね。
体をベッドに横たえて、布団を頭まで被った。
「待って待って! 今、白々しく言ったよね? ね! ね!」
更に焦った声になった。
神様だかなんだか知らないけど、私の勘が関わっちゃダメだと告げてたので、無視する事にした。
「聞こえなーい」
「聞こえてるじゃん!」
「……」
「とにかく布団から出てきてよ」
「……聞こえない」
「聞こえてるでしょ! ほんと、説明したい事が沢山あるんだって」
「……」
その説明聞いちゃいけない気がするんだよねー。
だいたい、神様とか言う割に威厳がないとゆうか、なんと言うか。
「過去2回の人生の記憶が戻っちゃった理由とか知りなくない?」
「まぁ、それは……」
布団を頭まで被ったまま答える。
情報過多な件は聞いておきたい気もするけど。
「でしょ? ほら、聞くだけ聞いてみよ! そしたらご褒美もあるかもしれないよ!」
ますます胡散臭い神様である。
でも、聞かなきゃ聞かないで、ずっと居座りそうだし。
それはそれで面倒くさい。
「わかった。聞くだけね」
変な要求は決して受け付けない!
強い意志を心に抱いて布団から顔だけ出した。
「あ~やっと出てきてくれた」
そんなほっとされたら、私が悪い事をしていたみたいじゃないか。
「で、自称神様はどういった御用ですか?」
「自称じゃなからね! ほんとに、ホントの神様だからね!」
「あ、うん、はいはい」
「その返事、絶対信じてないよね」
それは仕方ないよね?
だって、神様がほんとに来るとか思わないじゃん。
「だって、教会で祀ってるのは女神様だし」
私の住むこの世界では女神様を祀ってるんだから。
国によって崇める女神は違うんだけどね。
我がクルドラシル王国は水の女神オフィーリアを国の守りとして崇めている。
「女神達を統括してるのが神の僕なんだよ」
「……統括って、組織化されてるんだね」
社長と、秘書みたいなもんなのかな?
ハーレムみたいに、キャハハウフフ、するかんじなのかなー。
「あ、うん。君が考えてるような関係ではないけど。ま、女神の上司だと思ってくれていいよ」
神様の声にやるせなさが含まれた。
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