魔力量増えてます4
お父様達は手渡されたそれを持ったまま、唖然としてる。
あ、うん、そうなるよねぇー。
でも、ま、作っちゃったものはしょうがないって事でよろしく。
「アリーシャ。お前達も、1度控え室に戻るぞ」
我に返ったお父様に確保される。
「ええ、そうね」
「わかったよ、父さん」
真剣な顔で力強く頷いたお母様とお兄様。
お父様は私の縦抱きにしたまま、来た道を早足で戻り始める。
あ、渡すタイミングミスったかな。
上下に揺れながらそんな事を思った。
1番近くの部屋へと飛び込んだお父様は、私をソファーに下ろすと、後ろからやってきていたキャサリンとヨヒアムにドアの前で見張りをするように言いつけた。
「皆、先ずは座れ。そして、アリーシャのプレゼントを見てみよう」
表情の硬いままのお父様にお母様達は頷いてソファーに座ると、それぞれラッピングを解いていく。
「まぁ、アンクレットかしら? 素敵なデザインね」
「私のは指輪か」
「僕のはバングルだ」
プレゼントを手に取った3人の顔から緊張がほぐれていくのを見て、ほっとする。
「お母様は利き足じゃない方の足に。お父様は左手の中指に。お兄様は左腕に。と思って作りました」
念の為にご説明をしてみる。
「どれ……おぉ、指にピタリとハマったでは無いか」
お父様が中指に指輪をはめると、指輪が勝手にサイズを変える。
「自動調整機能も付けました」
胸を張って答えてしまう。
だって6歳児の私は自慢したく仕方ないんだもん。
「まぁ、本当に」
お母様も、皆に隠れるようにしてアンクレットをはめたみたいだ。
淑女は人前で足を晒すのは良くないものね。
「バングルもピッタリだよ。それに軽くていいね」
バングル見つけた腕をブンブンと振り回すお兄様。
残念ながら軽量化は付けてませんよ。
次回、要相談という事で。
「私のはこの指輪です。家族皆お揃いですね」
左手の小指を立てて、にっこり笑う。
「アリーシャは、1人でこれを作り上げたのか」
「はい、お父様。図書室で魔導書を読みあさりました」
「独学で作るだなんて、うちの娘はなんて天才なんだ」
お父様が嬉しさを振り絞るように右手を握り締めた。
「こほん……貴方、嬉しいのは分かりますが。このままでは不味いのは分かっていますよね?」
お母様は少し怖い顔でお父様を見据えた。
「あ……ああ、もちろんだとも」
お父様、その言い方は忘れていたと言ってる様なものだと思います。
お母様はやれやれと首を左右に振った後、私の方へと視線を向けた。
「アリーシャ、貴女が心を込めて作ってくれたプレゼント、本当に嬉しく思います」
「はい」
「ただ、この様な品物は、私が知りうる限りアーティファクトとと呼ばれるとても貴重な品になると思います」
「えっ……」
こ、これって、アーティファクトだったのぉぉぉぉ。
軽い気持ちで付与魔法を使っただけです。
そりゃ全力で頑張りましたけどね。
いつも読んでくださりありがとうございます(⁎-ω-⁎))"ペコンチョ
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いつも読んでくださる読者様に感謝を(ㅅ´ ˘ `)
アリーシャの今後の活躍を楽しみにしていてください(◍´꒳`◍)