魔力量増えてます1
P35少し修正を加えました。
じゃじゃーん、付与魔法が完成しました!
パチパチパチ、1人で拍手する。
6歳の誕生日前に完成です。
と、言っても、明日で6歳なんだけどね。
聖魔法のバリアは、中々難しかった。
独学でよくやったと思う。
お父様の為の銀の指輪。
お母様の為の金のアンクレット。
お兄様の為の琥珀色のバングル。
自分の分はピンキーリングにした。
あと、ヨヒアムとキャサリンにはピアス。
1回だけだけど、致命傷になる攻撃を防いでくれる代物になりました。
机に並べたそれを見てにんまりと笑う。
長く苦しい日々だった。
来る日も来る日も、付与魔法をした。
時には媒体が砕け、時には魔力が抜け。
安定させるのに、本当に苦労した。
試行錯誤と実験の結果は、もちろん紙に纏めてある。
聖魔法以外にも使えそだから、気になる人は閲覧するといい。
「ヨヒアム」
ドアの向こうに声をかける。
「お呼びですか? お嬢様」
ドアを開け中を覗き込んだヨヒアム。
ドアの外にいつも待機してくれてるから、直ぐに来てくれる。
「キャサリンも、呼んでちょうだい」
「かしこまりました」
一礼するとドアを閉め、足音が遠ざかっていく。
でも、直ぐに足音は2つになり、戻ってきた。
「お呼びですか?」
キャサリンと一緒にヨヒアムも入ってくる。
「うん。2人にプレゼントだよ。いつも私のお世話をありがとう」
傍まで来た2人にケースに入ったピアスをそれぞれに渡す。
「まぁまぁ、お嬢様からのプレゼントなんて。ありがとうございます」
掌に乗ったガーネットのピアスを涙を浮かべてじっと見つめるキャサリン。
「お嬢様、ありがとうございます」
ヨヒアムも同じ様に掌の上のアクアマリンのピアスを見つめてる。
「聖魔法を付与してあるから、致命傷になりそうな攻撃を1度だけ防いでくれるはずよ」
「「えっ」」
ポカンと口を開けて固まった2人。
「ヨヒアム、私、もう死んでもいい」
「いや死んだら不味いだろ」
「そうだよ。命を守る為の魔法具なのよ」
まったく、本末転倒じゃないよ。
「こんな高価な物を本当にありがとうございます」
泣くほど喜んでくれるなんて、プレゼントしたかいがあるよ、キャサリン。
「こんな高価な物を本当に貰ってよろしいんですか?」
ヨヒアムの手が若干震えてた。
「うん。お父様達以外には、今の所ら貴方達2人にしか渡さないから、皆には内緒ね」
しーっと人差し指を唇に当てる。
2人が無言で頷く。
リズムが揃ってて、ちょっと面白かった。
「キャサリン、お父様達に渡す分をラッピングしたいの、手伝ってくれる?」
「はい。包み紙とリボンを用意してきます」
掌にピアスの箱を乗せたままで行こうとしたキャサリンに、
「そのまま行くのは不味いだろ」
とヨヒアムがツッコミを入れた。
「良かったら、2人共いま付けちゃえばいいよ」
ドレッサーに掌を向けた。