全力全開、5歳児に我慢は無理なのです1
秘密を話したあの日、お兄様と私か自室へと戻された後、ヨヒアム、キャサリン、お父様とお母様の侍従と侍従長、あと筆頭執事とメイド頭が執務室に集められたらしい。
信頼の置けるメンバーで話し合ったのは、もちろん私の事だ。
転生の記憶云々と神様の眷属と言うのは置いて、私が5属性の魔法と聖魔法を授かっている事を伝えたらしい。
一応に驚きはしたももの、「お嬢様だから」と納得したらしい。
どうしてだ……解せぬ。
秘密を保持して他家には知られないように徹底する事が決まったみたい。
翌朝、部屋に来たヨヒアムが開口一番「お嬢様、最強ですね!」と言って、キャサリンに後頭部を張り倒されていたのは記憶に近い。
そうそう忘れてたスケボーパーク件は、翌日にお父様に伝えたら、表情の抜けた顔で頷かれた。
お父様、イケおじなのに、なんとも残念な。
ペトラ達に先立って頼んでおいたお兄様用のボードが届いたので、本日スケボーパークを披露会です。
馬車の通れない林を抜けていくので、皆馬に乗ってる。
今日は家族を除くと、お父様の従事者とお母様のメイド、お兄様の侍従者と、騎士団長、それとヨヒアムとキャサリンと言う面々である。
私は落馬の一件からまだ1人乗りは許されず、お兄様と相乗りしていた。
身体強化で走った方が早いのに、と呟いた言葉は聞こえない振りでスルーされた。
「これは……また」
スケボーパーク見たお父様が固まった。
この世界でスケボーパークは珍しいしね。
モルタルの白い壁や床も、大理石とは違った風合いだから。
皆が近くの木に馬を繋ぐのを見ながら、私はキャサリンへと手を伸ばした。
「キャサリン、ボードちょうだい」
「はい、お嬢様」
馬に紐で括り付けていたスケボーを2個、差し出してくれた。
「お兄様のはこっちね」
真新しいそれを手渡すと、
「アリーシャ、僕の分までありがとう」
満面の笑みが返って来る。
大人達はスケボーパークをペタペタ触ったり視察しているので、私は邪魔にならない所で滑る準備をする。
「お兄様は身体強化が出来ますか?」
後ろを着いてきたお兄様を振り返る。
「うん、出来るよ」
「良かった。まず身体強化で両膝、両肘、頭を強化します。転けた時に怪我をしないようにです」
こんな風に、と身体強化してみせる。
「部分的は難しいね」
「全体に掛けて、今言った場所を強化するようにすればできますよ」
「なるほど! アリーシャは頭が良いね」
要領を教えてすぐに出来るお兄様も、凄いですよ。
「お兄様は初めてだから、ボードに乗る練習から始めましょう。これやって片足を置いて、もう片方の足で地面を蹴るんです」
スムーズに進む私のスケボー。
いつも読んでくださりありがとうございます(⁎-ω-⁎))"ペコンチョ
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アリーシャの今後の活躍を楽しみにしていてください(◍´꒳`◍)




