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前世の情報が過多な件について神様に聞いてみたら、余計な力を授けられたのだが  作者:


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家族の絆とリミッター解除2


風魔法で、先触れが来た。


後30分でお父様達が到着する。


待ち遠しくて玄関アプローチで、お出迎えの準備をする。


手持ち無沙汰で、スケボーに乗っていたけれど、集中出来なくて。


技を繰り出すことも無く、行ったり来たりを繰り返していた。


ガタガタ、カジャガシャ不似合いな音が響く中、こちらを微笑ましげに見つめるメイド達。



早く来ないかな〜。


まだかな~。


5歳児の私が待ちきれなくてうずうずしていた。



「まだかな~」


地面をキックしてスィーと進む。


ガタガタとなるのは石畳のせいだ。



「あっ!」


500m位先の大きな門扉が開き始めた。


左右に開かれたその真ん中をお父様の乗る馬を先頭に、騎士達が囲む様に1台の豪華な馬車がやってくる。


ボードから飛び降りると集団に向かって走り出した。


尚、スケボーはキャサリンが回収してくれました。




玄関アプローチの終わる所まで行くとその場で立ち止まって大きく手を振った。


「お父様~おかえりなさ~い」


「アリーシャ、ただいま」


私の姿に気づいたお父様が、笑みを浮かべ手を振り返してくれる。



「アリーシャ!!」


馬車の窓から顔を出したお兄様も手を振ってくれる。



「お兄様~」


力一杯手を振った。





残り100mぐらいに近寄ると、お父様は馬を飛び降りこちらへと駆け寄ってきた。


ガシャガシャ音が鳴るのは、お父様の鎧か擦れる音。


よく、あんな重い物を着て走れるよね。


迫り来る巨体に若干引いたのは内緒だ。



「アリーシャ、良い子にしていたかい?」


救い上げる様に抱き上げられギュッと抱き締められる。


「良い子にしていましたよ。お父様、鎧が痛いです」


お父様の顔を両手で挟んだ。


「それはすまなかった」


抱きしめる力加減を緩めるお父様は、への字眉毛だ。



「春の討伐は無事に済みましたか?」


「ああ。粗方間引いて、残りは山奥へと追いやることが出来たよ」


「これで、領民達が安心して暮らせますね」


春の討伐と、秋の討伐は、この辺境伯領にとって欠かせない行事なんだよね。


「アリーシャは領民思いのいい子だね」


お父様が革手袋のまま頭を撫でたので、


「髪の毛が乱れちゃいます」


と苦情を伝えた。


キャサリンがせっかく綺麗に整えてくれたのに乱すのはやめて欲しい。



「すまんすまん、アリーシャは相変わらずしっかりさんだ」


お父様の豪快な笑い声が周囲に響いた。




「アリーシャ!」


到着した馬車から降りたお兄様が駆け寄ってくるのが見えた。


「お父様、下ろしてください」


ポンポンとお父様の腕を叩くと、地面に下ろしてくれた。



「お兄様!」


淑女としては何度も走るのはみっともないけれど、逸る気持ちを抑えきれずに走ってしまう。



「アリーシャ、会いたかったよ」


私を受け止めたお兄様が優しく抱き締めてくれる。


「私もお会いしたかったです」


お父様と違って鎧を着ていないお兄様の抱擁は心地よかった。





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