波乱の辺境伯領25
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「魔法使い、3人を先に抑える必要がありそうですね」
キャサリンが思案顔で言う。
「そうだね……ちょっと撹乱してみる?」
これで、と斜めがけのポーチから取り出した袋を見せた。
「それはなんですか?」
と不思議そうに聞かれ、
「魔力を付与した宝石」
と笑ってみせた。
調子に乗って作り過ぎたあの日の宝石である。
炎、風、水、氷、土の魔法が付与してあるそれは、遠隔攻撃に向いているはずだ。
何かの役に立つかと持ってきておいて良かった。
「……お嬢様」
キャサリンに手渡すと袋の中を覗き込んで苦笑いした。
「大きな攻撃にはならないけど、投げつけるだけで発動するから撹乱にはもってこいだと思うのよ」
「流石私のお嬢様」
ヨヒアムはキラキラした目で見てきた。
使いたいって顔にでてるよ、ヨヒアム。
「泉の周りは木々が開けてるし、炎の魔法も使えそうじゃないかしら?」
「ええ、使えますよ。ぜひ投げてみたい」
心の声を隠しもしなくなったヨヒアムに苦笑いが浮かぶ。
「付与してるのは初級魔法ですか?」
「うん。そのつもりで作ったのだけど」
実際使ってみないと威力は分からないんだよね。
お守り程度に作ったから、高火力では無いはず。
キャサリンの視線が痛い。
「ま、最悪、高火力でも問題ないですけどね」
目のまったく笑ってない笑顔を浮かべたキャサリンに、家に帰ったらお説教コースかもしれないと悟った。
「3方向から違う種類を投げてみるのはどうでしょう?」
「それなら、時間差で投げてみようよ」
ヨヒアム提案に、さらに提案を重ねる。
「それは面白そうですね。魔法使いが慌ててる間に、武装した奴らを分担して武装解除しましょう」
「あたふたしてる魔法使いは、私が制圧するよ。3人なら不意をつけば捕縛できるはず」
水のキューブを作って窒息させて、意識を刈り取るとか出来そうだし。
全身じゃなくて頭だけ覆うといいしね。
「2人で楽しく計画してるようですが、小屋の中に人がいるか調べてからの方がよろしいのでは無いでしょうか?」
冷静なキャサリンの言葉にはっとする。
外にいる人間を制圧できても、小屋中から不意打ちされると危ないものね。
「確かにそうね。じゃあ魔法使い達が魔法陣に魔法を注ぎ出したら、それに合わせて小屋をサーチしてみるわ」
自分の魔力の放出に意識を取られてる時なら、気付かれずに済みそうだもの。
泉の近くの魔法使いの動きに目を凝らす。
上手くタイミングを合わせないと。
魔法使い達が両手を伸ばし、何やら呪文を唱え出す。
魔法陣の中央にはオリに入った魔獣がいる。
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