波乱の辺境伯領18
誤字報告いつもありがとうございます┏○ペコッ
「私達が森へ向かうと、それに刺激された野獣がこちらに現れるかもしれません。カルト集団の連中が来ないとも限りませんし、この村を中心にする陣形に変える方がいいかもですね」
「そうだね。今は村の周囲を囲む垣根の修理と強化をおこなっているんだけど、他に何か準備出来るものはないかな?」
「そうですね……食料は何日分ありますか?」
「この村の住人とうちの大隊全員がここに籠城したとして一週間はなんとかなると思うよ」
「では、こうしましょう」
ニッコリ微笑んで胸の前で両手を合わせた。
お兄様に伝えた作戦は、この村の奥は川へと続く断崖になっているから、気をつけるのは正面の入口。
入口の前に深さのある長い溝を掘り、筵を上に被せ、軽く土をかけておけば落とし穴の完成だ。
「なるほど、それはいいね。カルト集団の連中が来ても上手く罠にはまってくれそうだ」
「土魔法の使える騎士がいれば、穴掘りも手早く終わりますし」
「直ぐに使い手を探そう」
「竹などで、底に剣山をつくるのも良いですが、それは時間がかかりますよね」
広範囲に作るとなると一苦労しそうだもんね。
「ならば、僕の氷魔法で氷の剣山を作ろう。要らなくなれば溶かしてしまえば処理も簡単だし」
「まぁ、それはエコですね」
「エコ?」
「竹などで作るよりも、ゴミを出さなくてもいいということです」
不思議な顔をしたお兄様に、微笑んでみせた。
「そうなんだね。アリーシャは物知りさんだね」
いつものように優しく頭を撫でてくれた。
「お兄様、水車の村の様に垣根の外側に土壁を作りましょうか?」
防衛は強固になるはずだよね。
「アリーシャ、こちらの事は心配いりません。私とジオルドが必ず守ります。貴方は魔力を温存して迷いの森に向かうのです」
「お母様」
「そうだよ。お母様の言う通りだ。無駄に魔力を使ってはいけないよ。森の中では何が起こるか分からないからね」
「お兄様」
「僕達は僕達の戦いをする。だからアリーシャも君にしか出来ない戦いに集中して欲しい」
「はい」
しっかりと頷いた。
それぞれがその役割を果たす、それが私達の戦い方。
だから、絶対負けられない。
泉の浄化をして、カルト集団を潰したい。
私がこのタイミングで、前世の記憶を取り戻した意味がそこにあるような気がした。
いつも読んでくださりありがとうございます(⁎-ω-⁎))"ペコンチョ
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アリーシャの今後の活躍を楽しみにしていてください(◍´꒳`◍)