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【検証!】お金の無い男が、本当に私を幸せにできるのか?

作者: 七瀬








私はお金を持っている男がスキ!

でも今の彼は? お金が死ぬほどない男。

あちこちで借金をしているのか? 月の終わり頃になると、

4つも掛け持ちしているバイトの給料は全て支払で消えていく。

残るお金はいつも数百円。

勿論! 家賃や光熱費も払えず半年間も滞納し大家さんから

部屋を追い出され、今は私の家に転がり込んできた彼。

いつもお腹を空かして私の帰りを待っている。




『今日の晩ご飯は何?』

『スーパーで半額だったコロッケ買ってきた!』

『早くご飯にしよう! お腹空いたよ。』

『冷凍してたご飯、レンジでチンして!』

『あぁ、分かった。』






・・・そんな生活でも私は幸せだった。

彼の夢は、一流の画家になる事だ!

時間があれば、いつも絵を描いている。

彼のモデルはいつも“私”彼は肖像画しか描かない人なの。

いつも彼の傍に居る私はモデルに一番適任だったに違いない!





それに彼は常日頃から私にこう言っていた。



『“俺がいつか、プロの画家になったら? 俺と結婚してくれるか?”』

『えぇ!?』

『ここまで俺を支えてくれたのはリリカしかいないよ!』

『・・・あぁ、ううん、』

『なんか今の返事? 不満そうな言い方だよな~』

『だってまだ、“プロの画家じゃないし!”』

『まあ、まだピンとこないんだよな。』

『そうよ! それに、そんな夢みたいな事言ってないで借金どうにか

しないといけないんじゃないの?』

『プロの画家になったら、一回で完済だー!』

『“それも夢のまた夢よ!”』

『夢は持った方がいいんだよ!』

『馬鹿なの? バカ通り越してアホなの? いい加減、現実みたら?』

『・・・わ、分かってるよ、』

『“私の彼氏が、お金持ちの彼氏なら良かったのになぁ~”』

『・・・そういう考え方、俺は嫌いだ!』

『なんでよ!』

『夢はロマンなんだ! 最初っから金持ちの男になんか俺の気持ちが

分かってたまるか!』

『・・・そういうものなのかな?』

『少なくとも、俺はそう思うよ!』

『・・・ふーん、』

『何だよ! “ふーんって!”』








・・・その後、私は彼を少し子馬鹿にしながらも彼の夢を応援していた!

真剣な顔で私に夢を話してくれる彼はいつもキラキラの笑顔で。

私には物凄く眩しく見えていたの!









 *









そんな彼と夢を叶えるどころか? 些細な喧嘩で別れてしまった。

今は、“別の彼と付き合っている。”

今の私の彼は、“金持の息子” 最初からお金を持っている男だ!

何不自由なく、親のすねをかじって生きている。

苦労をした事がない彼は、ちょっとしたことで直ぐに落ち込む。

お金は腐るほど親が彼のクレジットカードにたらふく入金。

カードにお金が無くなる前に、彼の親が直ぐにお金を追加して入れるのだ。

彼のカードは魔法のカード!





『今日、リリカ何処へ行きたい?』

『何処でもいいよ。』

『友達に美味しいお店、教えてもらったから一緒に食べに行こうか?』

『・・・ううん!』





彼が私を連れて行く場所は、いつも高級な場所だった。

私は彼に買って貰ったドレスを着て、彼と一緒に入店する。

今まで家の近くのスーパーや公園、コンビニが多かった私は少し窮屈に

感じていた。

上下ジャージで、少しぐらい破けてても気にしない!

元カレも一緒だったし、なんなら彼の方がボロボロの服を着ていた。

そんな事も二人で笑い合える日々を過ごしていたのだと今頃になって

思い出すのは何故なのだろう。










・・・そして、“私は一つの答えに辿り着く”

私を本当に幸せにできるのは? 【元カレ】の画家の彼なんだと。

私は今の彼に別れを告げ、元カレに会いに行った。




【ピンポン】




『はい!』

『・・・私、』

『リリカ?』

『うん。』

『どうした?』

『会いたかったの!』

『・・・俺に?』

『そう!』

『・・・もう遅いよ。』

『えぇ!?』


【ガタン、】


『誰か来たの?』

『・・・い、いや?』

『・・・あぁ、“噂の元カノ?”』

『そうだよ。』

『外で二人で話して来たら? 私は先に晩ごはん食べてるから。』

『・・・ううん、』

『・・・・・・』

『じゃあ、行こっか。』

『・・・ううん、』










彼には彼女が居た! “それも同棲している彼女が居る。”




『・・・急にどうしたんだよ?』

『私!分かったの、お金が無くても私を幸せにできるのは悠希だけだって!』

『俺には今、彼女が居て、』

『・・・ううん、そうだね、』

『俺は彼女の事を大事に想ってるんだ。』

『・・・ううん、』

『だから、ご、ごめん、』

『・・・そっか、』

『もう少し早かったら? また違ってたかもしれないけどさ。』

『そんな言い方しないで! 諦めがつかないでしょ!』

『・・・ごめん、』

『じゃあー行くね。』

『あぁ!』








“【検証!】お金の無い男が、本当に私を幸せにできるのか?”




変な別れ方をしなければ、ずっと彼と上手くいっていたのかもしれない!

でも? 【これも運命!】

“今の彼女が彼は大事だと言ったから” 私は元カノで彼女は今カノ。

出会いが後でも先でも、やっぱりこうなってたのかもしれないと私は思う。

そうしないと? 彼の事を一生! 忘れられないから......。





・・・もう、こんな恋愛は二度と私はできないと思う!




最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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