第八章 新大陸へ
「で、新大陸へ行って、どうすればいいんだ?」
今日は火曜日……だが、幸か不幸か学校は休みだった。
「次の大陸の在処を知るためには、鍵が必要となる」
「つまりパラレルワールドの、新たな大陸を知るためには鍵が無ければいけない」
「…鍵?鍵って何なんだ?」
さっきから俺は質問攻めにしている。
それは、新大陸へ行くための知識をつけるためだ。
「ちなみに、新大陸がどんな世界かは俺にもわからない、常に変わる世界だからな」
悪魔は豆知識というか、何でも詳しく教えてくれた。
「……本題から逸れていたな、鍵とはその名の通り、世界のキーになるものをさす」
「新大陸へ行き、ある条件を満たすと次の世界が地図に記される」
俺は、新大陸にどのような危険があるかはきかないようにしていた。
どうせ冒険なら、スリルがあるほうが楽しい。なんてね…
「そのある条件ってのは?」
悪魔は察しが悪いなというように俺の顔を見る。
「何が条件かはわからない…大陸によって違うからな」
悪くない、つまりほとんど謎だが、冒険のしがいがある。
俺はもうすっかり乗り気だった。妹を巻き込みたくはないけれど。
「……じゃあ、新大陸へ行っていいか!?」
俺はくってかかるようにきいた。とても興奮しているのが自分でわかる。
「その前に、説明がある」
悪魔は常に冷静に答える。前までは冷酷ととっていたが。
「…新大陸の危険は自分で知る方がいい、だが俺としてはお前を死なせるわけにはいかない」
「……俺を死なせるわけにはいかない?そんなに…危険?」
俺はきっと、今へっぴり腰になっているだろう。
「お前は俺の契約者だ、契約者が死ぬと俺も死ぬからな」
初耳だった。でもそうだとすると疑問が残る。
「…なら、前世の俺が死んだ時に…消えてるはずじゃ」
「前世のお前は、寿命で死んだ、寿命の場合は俺は死なない」
「しかし、お前が事故、または殺害されたなんてことがあったら俺も死ぬ」
前世の俺は寿命で死んだと知って、なぜかやすらいだ。
俺は冒険で死ぬことないんだと思っているからか。
「…次は武具の話をする、敵と戦闘する場合もあるからな、知識をつけてもらう」
「え……!?戦闘って!」
へたれの中のへたれ、ヘタレ オブ ヘタレ の俺が戦うなんて無理だ。
「武具には俺を使ってもらう」
お前はふざけているのか、なんてとても言えない。
「…どういうこと?」
「俺にはあらゆる能力が備わっている、中でも変身能力が一番備わっている」
驚いた、何でお前が魔王を倒さない。そんなことは言えない。
それと、選ばれし7人が必要な理由はまだきくべきではないと判断した。
「武器や、防具に変身できるってこと?」
「そうだ、実戦が一番わかりやすいが…」
実戦なんてゴメンだ、でも、魔王を倒すってことは…
「とにかく、新大陸へ行ってからがいいだろう、全ては」
「地図に手をかざせ、さぁ、行くぞ」
質問はまだあったが、仕方ない
「なるようになれ!」
そういって、俺と悪魔。それにずっとだんまりしていた妹は
新たな新大陸へ旅立つのであった。
胸騒ぎは、まだおさまっていなかった。