第六章 悪魔との再会
しばらくして妹は眠りについた。
俺はたくさんの疑問があり
心の整理をする時間と思って考えにふけっていた。
「パラレルワールド…使命…悪魔……胸騒ぎ」
俺は考え事をすぐに口にだしてしまう性格なのかもしれない。
……夢だったらいいのに。
そんなことを思っても、紛れもない現実を変えることはできない。
「パラレルワールド…どれくらいの世界があるんだろう……」
つい、口にでてしまう。
悪魔に質問しても、きっと全ての疑問に詳しい回答はくれないだろう。
あいつは、俺の能力を教え、使命を告げる。ただそれだけの役なのだろうか。
そもそも、あいつは俺と契約したと言っていたが、俺にはそんな記憶がない。
つまり俺はあいつのことを知らない、いきなり現れて……
そう考えているうちに、何者かの気配を感じた。
「悪魔か?」
俺は妹を起こさないため、小声で言った。
「ああ、お前の疑問についてを答えるためにきた」
そう言って、悪魔は俺の妹を見た。妹はすっかり熟睡している。
まるで…胸騒ぎを感じたのが嘘だったかのように。親父はどうだろうか。
「気にしないで、きっと、小声で喋ってりゃ起きやしない」
「それより、さっさと俺の質問に答えてほしい…」
俺は悪魔の返答をきくまえに、質問をした」
「俺はなぜ特殊な能力を持っているんだ?」
これが、一番気になることだった。だって、俺みたいな平凡なやつに
パラレルワールドなんて…未だに疑ってしまう。
「お前の前世について、話そう」
俺は黙ってきいていた。
「1000年に一度、最後の世界に辿りつかなければいけない」
「その理由が、最後の世界である魔王を倒さなければ全ての世界が崩壊するからだ」
「1000年に一度のみ、よみがえる魔王をな」
「そして、代々選ばれし7人の者たちが魔王を倒してきた」
「しかし、魔王を完全にほふることはできない、それぐらい魔王の能力は特殊だった」
「その選ばれし7人のうちの一人が、お前の前世の人間だ」
俺がなぜ能力を持っているのかの答えにはなっていなかった。
「最後の世界…パラレルワールドはたくさんあるんだろ?」
「もちろんだ、無限といっていいほど」
「だが、案ずることはない…」
俺はとりあえず、悪魔の話をきいておこう。
そしたら徐々に理解できるはず…と思うほどまでになっていた。
「行くべき世界は、10にしぼられている」
「……説明する前に、まずお前にはある地図を探してもらう」
「…ある地図?何だよそれ」
「お前に一度、前世の自分に会ってもらう、前世のお前が在処を知っている」
「!?そんなことができるのかよ…?」
「一度だけだが可能だ、俺は前世のお前と契約をしている、今のお前にも引き継がれている」
「俺は、死んだ契約者を一度呼び出すことができる」
俺は信じれなかった。いくら信じようとしても…
「どうやって…!?お前は何でそんな力を持ってるんだよ…?」
「俺のことは世界を旅する内にわかるだろう、いいか、呼び出すぞ」
――――まばゆい閃光が走る。
気がつけば、俺の目の前には、まるで未来の自分のような人物が立っていた。