第四十一章 協力と目的
「倒したいか…って――――」
コイツは何が言いたいのだろう。
コイツは何が聞きたいのだろう。
コイツは何が目的なのだろう…
「答えろ、倒したいかときいている」
俺はどう答えればいいのかわからなかった。
「無論、倒す為に…それが使命ですから」
術師がそう答えた、素直に俺も答えればよかったのだろうか。
…しかし、何だろうか、この違和感。
質問をする為だけに俺達を生かしているハズもないと思った。
「…どうだ、手を組まないか?君達にも悪い条件ではない、お互いが得をする……」
「!?何言ってんだ、お前は俺達の敵で、俺達はお前の敵で…アレ」
頭がパニック状態すぎて、何が何なのかなんてもうさっぱりだった。
「つまり…私と手を組んで欲しい理由は二つある」
「一つ目は大魔王サタン…及び悪魔神ハデスを倒すには君達の力が必要だから」
「二つ目は…私はこの戦争に反対だからだ、突然天界を襲うなんて野蛮な事を…それに大魔王を手を組んだのも気に食わないことだから」
…もっとわかりやすくすると、だ。
ウェルデルトにとって、サタンやハデスは邪魔者。
その邪魔者を消す為に、俺達を利用しろうって腹だ。
天界を襲う事が反対だなんてことは、きっと嘘だろう。
そう考えていたときに術師は言った。
「成程…しかし貴方にとってそれはリスクが大きすぎる、しかし…自分が次の悪魔神の座につき、用が済んだ私達を消しさる為にはその方法しかないということですか」
きっと確信だったのだろう、その言葉は。
ウェルデルトが少し驚いて見せたようだった、しかし僅かに微笑していた。
それからしばらくして、俺と術師は縄から解放された。
無論、リングはまだ返されなかった、逃げるのは無理だし勝つのも不可能だと術師と俺は自然に理解していた。
「悪魔神…カオスに会わせてやる、しかし私はあいつを解放するわけにはいかない」
「…逃げられたら困るとか?」
「その通りだ、私の野望の為にも…フフ」
ウェルデルトは薄気味悪い笑みを浮かべた。
身の毛がよだつほどだった。
カオスが居るという部屋に入ると、中ではカオスが悠長に椅子に座っていた。
「な…!?あの縄からどうやって抜け出したというのだ!」
「お前の目的を知る為に黙っていたに過ぎない…汚い事を考えるものだ」
カオスは全て知っているようだった、これで少しは助かった気がしたというものだ。
「…君も協力するのか?」
「こいつ等が戦う意思を見せたなら、俺は協力しないといけないことになっている」
「いいだろう、なら今回の目的について説明する」
ウェルデルトは少しため息をつくように説明しだした。
「今回の一番の目的は、悪魔神ハデスを倒すこと…ついでに、1,2,3,4番のあたりの隊長を倒せれば嬉しい、いずれも私よりは強い隊長だ」
本当に時期悪魔神の座につくつもりなのだろう。
自身より強い敵は倒す、それだけが目的のようだった。
「今のままでは勝つ事は不可能だ、隊長の面子も変わっていないのだろう?」
「全員変わっていない、故に能力はわかったからと侮るな」
「…ハデスの能力や強さ等知らんが、問題は4番隊長だろう、アレは俺でも手に負えん」
「あいつは本当にできればでいい、ハデスを倒すことが第一だからな」
「さっき今のままでは勝つ事は不可能といったか…故に修行をしてもらう」
また修行かよ、そう思う気持ちもあったが、強くなれるのは嬉しかった。
それより、その4番隊長ってのはどれほど強いのか…ハデスもどれほどなのか。
それが一番気になることだった。
「人間の力であいつ等に勝つレベルに到達するには、限界突破しかない」
「…一度死を味わってもらう」
一体――――――!?