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第三十五章 天門の番人

「何の扉ですか…?とても大きいですね」

「天門だ、ここをくぐらなければ天界へ行けない」

目の前にとても大きい扉。

辺りはひたすら広い白い空間。

「…何か浮いてる気分になる、早くあけよう」

扉に手をかけようとすると、遥か上から音がきこえた。

「ん…大きな影と上からの音…まさか……」

上から2mほどの大男が降りてきた。

「どなたでしょう、まさか番人だったりします?」

「その通りだ、天門には…敵の進行を防ぐため、番人がついている」

大男がその時、俺達を指差しした。

「お前ら、何者、邪魔するなら、殺す」

「…あのー通りたいな…なんて……」

滅茶苦茶怖かった。

なんだこの化物と思うほどのオーラを感じた。

…見た目は普通の大男だったんだが。

「…誰だか知らんが、ここを通してもらいたい、神に面会したい」

「神様、忙しい、面会不可能」

「…1000年如きで門番が変わるとはな…厄介だ」

「神から何かきいていないか?こいつらは選ばれし者だ…神も会いたがっているだろう」

悪魔と大男の会話は、社長同士の会話…そんな空気だった。

術師と俺は黙るしかない、重い空気というべきか。

「何も、聞いてない、お前、悪魔だな、悪魔、通せない」

「…どうしても通してくれないなら、使者を使って神に伝言を伝えてくれるだけでもしてくれないか?」

「悪魔の頼み、聞けない、悪魔、敵」

何なんだこの大男、言葉が不器用すぎる。

「…面倒だ、もういい……」

そこで術師がやっと口をはさんだ。

「何ですか?帰るんですか?諦めて…」

「交渉決裂だ、力尽くで通させてもらう」

「お前ら、敵だな、殺す」

大男はこん棒を炎でつくりだした。

真赤な…紅蓮の炎、威圧感が凄かった。

「お前らは下がっていろ、門番は代々天界護衛部隊の隊長がつとめている、こいつはそこらの敵とはレベルが違うからな」

「…貴方の本体、取り戻さないと不便ですねぇ…ではお言葉に甘えましょう」

「何言ってんだよ、一人に任せるなんて…」

「いいから、下がりましょう、巻き込まれますよ」

術師は俺を無理やり後ろへ下がらせた。

左腕の調子も試したかったんだけどな…


「悪魔、死ね」

門番はこん棒で悪魔を薙ぎ払った。

高速のスピードだった、悪魔の左肩に直撃し、悪魔は吹き飛んでいった。

「次、お前ら、殺す」

なんて強さだろうか、見た目にそぐわぬ速さ…

力は天下一品だろう、おそらく。

「…その程度か?」

悪魔は無傷で戻ってきた。

微かな笑みを浮かべていた。

「お前、無傷、何の能力だ」

「バカに説明してわかるものではない、じゃあな」

その瞬間、門番の顔が吹き飛んでいった。

術師も流石に少しひいたようだった。

むごいが、慣れてしまった気がする自分が…悔しい。


「早く行くぞ、神に会うまではただの殺戮者扱いされるからな」

門番をやったのは悪魔だろう…そう思いながら

また門へ近づいていった。

すると、少し後方から声がきこえた。

「少しお待ちを願いたい」


「……誰だ?…!これはこれは…今の門番はただの兵士か」

「…久しいな、天界護衛部隊隊長、ラファエル」


今の門番は雑魚兵だったのだろうか、これからどうなるか。


「…また会えた事を神に感謝します、悪魔神…いや、本体ではないですか?」

「…どこに眠っているのやら、だ」

「……そちらの方たちが、選ばれし者ですね」

「ど、どうも…?」

何か不思議な気分だった。

ラファエル…天使だろう、おそらく。

何か癒されるような感覚だった。

優しい感じ、そうあらわすのが一番楽だろうか。


「私が案内します、今の兵のことは…御気になさらず、ついてきてください」


そういうとラファエルは一瞬で扉の前に移動し、扉に手をかざした。


すると、扉が瞬く間に開いた。

「久しい場所だ、相変わらず平和のようだ」


とても優雅な光景が、目に入ってきた。



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