第三章 パラレルワールド
「うっ…」
とりあえず床から立ち上がった。
頭が重たかった。
「…夢だったのか……?」
…そうして、しばらく辺りをみまわすと…
―――ここは俺の部屋じゃない!?
廃小屋のような場所だった。
「どこだよここ!」
「これがお前の能力だ」
背後を見ると、あの悪魔が立っていた。
「お前は…!ここは何だ!?夢なのか!?」
自分でもわかった、とても声が震えていたと。
「紛れもない現実だ、お前が自発的にこの世界へきた」
俺はすかさず言った。
「どういうことだよ!?お前は何なんだ!能力って何なんだ!?」
「俺の名はカオス、ある魔界の魔王の悪魔だ」
俺はある魔界という言葉だけでもひっかかった。
「は…?魔界…?魔王…!?意味が…」
俺の言葉を遮って、悪魔は言った。
「お前の能力はパラレルワールドだ」
しばらくの沈黙が続いた。
…
……
………
「パラレルワールド?」
俺は本当にばかなのか、パラレルワールドの意味がわからなかった。
「簡単に説明してやる、黙ってきけ」
悪魔は近くにあった椅子にすわり、話し出した。
「パラレルワールドとは、ある世界から分岐し、それに並行して存在する別の世界だ」
「簡単に言うと、あらゆる世界があり、お前はそのあらゆる世界を行き来できる」
「ちょっと待てよ!」
俺はどうしても腑に落ちなかった。
「俺は意識したこともない、それにそんなことありえ…」
遮って悪魔は言った
「お前は現にこの世界に来ている、ありえない等ということはありえない」
…図星だった。
この感覚は、幻覚や夢なんかじゃない。
確実に…別世界……
「な…何で俺がそんな能力を持ってるんだよ……?」
おそるおそるきいた
「それを説明するには、お前の前世の話をしないといけない」
俺はこんがらがっていた。
「前世?どういうことだよ…!急にそんなこと言われてもわからねぇよ!」
「…お前が使命を理解し、旅をすればわかる」
俺は、悪魔が嫌いだ。