表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/44

第二十四章 ユーノス・レディル街

「どこだ、ここ?…予想外に平和そうな場所だな」

「…現世どうなったんだろ?」

妹はただただ不安だったようだ。

「…今は、大丈夫と思うしかない」

あの時、空間が滅びる感覚がわかった。

おそらく、宇宙の中から地球という惑星が

跡形もなく消えたのだろう。

理解したくはなかったけど…

「ここは俺も知らんな」

「!!悪魔、何であの時逃げ…」

さえぎるように言った。

「あのままだと空間ごと俺達が滅びていた」

現世が滅んだ、そう言っているのと同じだった。

「…そんな…家族も…友達も…みんな……?」

「今は無駄な事を考えるな、あれを見ろ」

悪魔が指をさしたところを見てみると、遠くの方に

かすかに街のようなものが見えた。

「とりあえずいこうよ、ここがどんな場所か知るためにも…?」

「……わかった、あそこに向かっていこう」


数時間ほど歩くと、確実に街が見えた。

「スゲー…意外とでかい!」

「綺麗な場所だなーここ…」

「ここまで平和そうな世界は見たことがない、おそらく何か影があるな」

「そこまで深く考えなくても…街についたら一休みしよう」


そして、街についた。

沢山の行商人や、子供が居た。

綺麗な土地とは裏腹に、子供たちは貧しそうだった。

「…あ、あの、すみません、ここってなんていう街なんですか?」

「ん?ここはユーノス・レディル街だよ」

「ここを知らないとは変わってるなー嬢ちゃん」

そう言って、行商人は歩いていった。

「…とりあえず、宿か何か探そうか」

「……」

悪魔はずっと無言だった。

というか、この街は悪魔が歩いていても何も思わないのか。


その時だった。


「止まれ!!そこの貴様、何者だ!」

一人の…兵士だろうか、鎧をまとった男が悪魔に槍をつきつけた。

「通りすがりの悪魔だが、いきなり槍を向けるとは物騒だな」

「通りすがりの悪魔…!?ふざけているのか!」

やっぱり悪魔は特殊だったようだ。

兵士以外は気にしていなかったようだった。

「何だ?この街は…城も何もないようだが、何故兵士が居る」

「当たり前だろう!街を護るのが警察のつとめ!」

…これが警察か、と思った。

確実に妹も思っていたのだろう、表情は何か衝撃的なものを見たようだった。

「警察…?警察がそこまで武装とは、あいにく俺はこの街に初めてくる、悪さを犯すつもりはない」

「口では何でも言える!貴様…どこから来た!」

「遠い世界からだ、先を急ぎたい、邪魔をするな」

「ふざけた事を…!署まで――――」

ドスッ!と鈍い音がたった。

悪魔が気絶させたようだ。

「面倒だ、こういう輩には眠っていてもらうのが一番だ」

「ははは…」

苦笑いが止まらなかった。

「ぁ、あれ宿じゃない?」

「ん、おお!休んでいこう!」

「…この世界の通貨を知らん」

それは言っちゃダメだよ…

そう思いながら、ため息をついた。


「そろそろ暗くなってきたな、野宿する場所を探すぞ」

仕方が無かった。

「はー…結局何なんだよこの大陸…」


それから歩いても歩いても、同じ場所に戻ってきた。

「んー?…何だ、さっきからループしてる気が…」

「おかしいねー、まっすぐ歩いてるのに?」

「…平和そうだからと油断していたな、まんまと幻術にかかっていたようだ」

「え…!?誰が…?」

「相当なレベルの術師だ、油断していたとはいえ、ここまで惑わすとは」


「ごめいとうですね、貴方達にはここで消えてもらいます」

「!!…誰だ!?」

振り向くと、長髪で、冷酷な眼をした人間が居た。

「名乗る程の者ではありませんよ」

そう言って、リングから紫色の炎を出していた。

「…あのリングは…まさかな」

「やるっていうのかよ…こんな街中で!」


新たな戦いが幕をあける。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ