第二十一章 大魔王サタン
「あれが…大魔王サタン!?」
空間からは大魔王サタンがでてきた。
悪魔と大きさは同じぐらいか。
「ははは、ホログラムなんだけどな」
大魔王というほどの威圧感も何もなかった。
まるで、深い闇を見たような…無というのか。
「未だ力は戻っていないようだな…なぜ現世に…」
「一目見ておきたくてな、選ばれし者を、それに…」
「久々にお前を見たかったからな、1000年前は世話になった」
「…その程度のことなら帰れ、お互いにメリットはないだろう」
俺と妹は黙ってきいていた。
兄貴のほうを見ると、兄貴も黙って大魔王を見ていた。
「ははは、冷たいこと言うな、本当に用が無くくると思ったか?」
「わかってるかもしれないけど、現世を滅ぼそうと思ってな」
「させると思うか?」
「はっきり言って、邪魔すぎる、この世界は滅ぼさせてもらう」
「…紹介しよう、俺の自慢の部下達だ」
大魔王サタンがそう言うと、別空間から
5人の人間がやってきた。
「!!人間…」
「N人間とよばれる催眠により特殊強化を施した人間だ」
「この5人は別世界の魔王以上の力を持っているぞ、精々抵抗せず…」
「世界が滅びる様を見ていてくれ、じゃあな」
そう言い残し、大魔王のホログラムは消えた。
「さて、殲滅を開始する、N-02~N-05、世界各地へ散らばれ」
リーダーなのだろうか、そいつがそう言った瞬間
N-02~N-05までのN人間は消えた。
「ほう…ここはお前一人で殲滅できると思っているのか」
悪魔はやる気満々なのだろうか。
…冗談じゃない、別世界の魔王以上に強いなんて…
「愚問だな、俺一人で世界を殲滅することでも可能だ」
「これは、礼節だ、誇り高き選ばれし者と悪魔神への」
他の各地へ散った4人はどうするのか…
見逃すのだろうか…それとも他に戦えるやつが居るのか。
「…別世界の魔王より強い、か…久々に運動ができそうだ」
「……ほう、今の発言、後悔するでないぞ…!」
新たな戦いが幕をあける…