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第十八章 魔王ゼノンとの戦い

「我にそう簡単に勝てると思っているのか?ふふふ、愚かな事だ」

魔王ゼノンは死の剣(デスサーベル)という黒刀にドス黒い炎を纏った

剣を悪魔の方へ向けた。

「…何の真似だ」

「おや…君は戦わないつもりか?クズ人間二人でこの魔王を倒せるはずがなかろう?」

クズとは、よく言ってくれる。

俺はへたれと呼ばれるのはなれていたが、クズとは初めて言われた。

何より、妹をも侮辱することが許せなかった。

「悪魔!天叢雲剣(あまのむらくも)に!」

炎を無駄に消費して体力を尽くすよりも、天叢雲剣に炎を少しずつ纏わせる良かった。

悪魔はすぐに俺の方へ瞬間移動のごとき移動をし、剣になった。

「始めるぞ、死の演舞を…」

魔王は俺に突進してきた。

「速いッ…!」

予想外の速さだった、かの鉄仮面よりも、速かった。

「君が鈍いのだよ」

そう言って剣をさしてきた。

俺は剣に炎を纏わせ、少しずつはじくのがギリギリだった。

「…!これは驚いた、この黒刀をはじけるとは…よほど良い炎とうかがえる」

「だが、あっけない幕引きだ」

あっけない幕引き?まだ何も終わって…

「お兄、後ろ!!」

「!?」

とっさに俺はしゃがみこんだ、すると後ろから黒刀が迫ってくるのがみえた。

「…小娘、何故幻術を見破れるというのだ……!?」

危なかった。黒刀が2本…違う、魔王が二人居た。

すると、一人魔王が消えた。

「厄介な、小娘だ…ふふふ、だがもがく様をみるのも一興…」

(あれは、魔王ゼノンのリングの効果で幻術をつくりだしている)

幻術…厄介なリングだと思った、しかし幻術に実体がある…?

(あれは一種の死の指輪(デスリング)のようだ、リングの炎を少し周囲に張り巡らせろ)

(リングの炎で幻術の炎を察知するしかない、お前の妹もそうやって見破った)

くそ、初耳なことばかりだ。知識の無さが戦闘では命取りになる。

「…幻術とは、こそこそしてくれんじゃねーか!」

そういいつつ、少しずつ目視がし辛い炎を周囲に張り巡らせていく。

(初めてにしては上出来だ、幻術を察知すれば炎にかなりの乱れが生じる、それで位置を割り出せる)


「さぁ、どんどんいかせてもらおう…ふふふ」

「ちまちましてねーできやがれ!」

また魔王が突進してきた。

「今度はこっちからもいくぜ…!」

俺の周囲には幻術がないようだ、今が叩きこむチャンスだとみた。

「風魔一閃!!」

炎を注入した剣での斬撃は、予想外に大きかった。

「何…!?」


ドゴーンッ!!

大きく、鈍い音が鳴り響く。

「…やった……か?」

「リングの反応に幻術もない、勝ったよ!」


その時だった。


「最後まで油断してはいけないのが戦いというものだ」

いつの間にか、妹の背後に魔王は居た。


「凪!!後ろにバリアを!!」

「もう遅い…さらば、選ばれし者の一人よ、安らかに眠るが良い」


凪の心臓を、魔王の黒刀が貫く。


「…てめ…え…何してんだ……てめえ!!!!」

(…倒したのは幻術、本体は身を潜めていたか、通りでリングに反応がなかったわけだ)


「戦いとはこういうものだ、選ばれし者よ、貴様もじきにこうなる…ふふふ」


俺は全力で剣に炎を溜めた。


「風魔…一閃!!!!!」


「愚かな、私情で全ての炎を斬撃に込めるとは」

「もはや貴様の負けは確定している、我の勝ちだ…選ばれし…」


「最後まで油断してはいけないのが戦いなんでしょ?」

何かツタのようなものが魔王をおさえつける。

「!!!何だ!!これは!!離れぬ!!!誰だ貴様!!」


「便利だね、死の指輪(デスリング)、幻術までつくれるなんてね」


「凪…良かった……」

(とっさに身の危険を感じ、幻術を作り出していたか、やるやつだ)


「くそっ!!離れぬ…!!このままでは…!」

「お前がクズといっていた人間の、一撃の痛みを知れ」

悪魔にセリフをとられた気分だった。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


魔王に風魔一閃が直撃する。


ドッゴーンッ!!

まるでビルが倒れたかのような音をたてた。


「…終わ…っ…た……」


力を使い果たした俺は、倒れた。


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