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第十五章 黒騎士との戦い

悪魔はすぐに黒騎士を呼んできた。

「やる気が出たのは結構なことだ、協力致そう」

黒騎士が断ってくれていればどれだけ嬉しかったか。

「ルールか何かあるのか?まさか全力で戦っていいわけではあるまい」

「構わない、殺すつもりで戦ってやってくれ」

「!!俺は素手で戦うのかよ!?」

すかさず俺は言った。

「俺を使ってもらう、それにリングもあるだろう、焦るな」

「ならば手加減せず全力でいこう、我もリングを使わせてもらう」

――――くそっ、やるしかねえか…


――――天叢雲剣(あまのむらくも)!!


なぜか数年ぶりに持った気がした。


「準備はいいようだな」

黒騎士の黒い石が中心にあるリングがドス黒い炎を灯した。

とてつもない圧力が降りかかる。空気が重たく感じた。

「参る…」

黒騎士が高速で俺のほうに向かって突進してきた。

リングの炎を、黒刀に灯していた。

「くそっ!」

黒刀を振りかざす黒騎士の斬撃を天叢雲剣で無理やりに受けた。

「リングの炎を灯した黒刀を普通に受けていいのか?」

少しずつ押されていく。

見た目は細身なのに…重いっ!

「猿真似してやんよ…っ!」

案を思いついた。むこうが刀に炎を灯すならば。

「こっちだって、炎を灯すことはできんだよ!」

「!!」

俺はとっさにリングに炎を灯した。

(いいぞ、俺に炎を灯せ、流し込むイメージでだ)

悪魔に言われなくても、わかってることだ。

「うらっ!」

ボッ!と音をたてて、天叢雲剣に紅色の炎が灯った。

「まさか…猿真似とはな」

(炎をもっと強く灯せ、俺が爆発することはない)

言われた通りに炎をどんどん強くしていった。

「貴様…!!」

いつの間にか、少し力を入れるだけで黒騎士の黒刀を押せるようになっていた。

「黒刀か…案外、普通なんだな」

「…我の力をみくびるな!黒渦(ブラックホール)!」

黒騎士のリングから黒い空間のようなものがでていく。

「何だ!?コレ…!!」

俺はとっさに身を引いた。

黒壁(ブラックウォール)…展開!」

黒い空間が俺と黒騎士を包んでいく。

あっという間に、黒い壁に覆われ、黒い部屋ができた。

「デスマッチといこうじゃないか…」

「何だよ、この…」

喋って気がついた。

この空間の、酸素の薄さに。

「息が辛いであろう、当然のことだ、この部屋では酸素が限られている」

「冗談じゃねぇ…!酸欠状態でのデスマッチかよ…!?」

(…これではリングの炎を垂れ流しにはできん、生命エネルギーを無駄に消費するようなものだ)

「この部屋を壊すには、我を瀕死に追い込むしかないぞ…!」

そう言って、黒騎士は黒刀の炎を消した。

「相変わらず趣味が悪いな、黒騎士」

悪魔が黒騎士にはなしだした、こいつは酸素を吸うのか…?

「早めに決着をつけたいであろう?もう時間もない…」

時間がない、どういうことかきく暇もない。

ともかく、黒騎士を倒さないと…死ぬ。

「早めに決めるのに悪いことはねえ…!死んでも恨むなよ!」

俺は黒騎士に全速力で向かっていった。

黒騎士は微動だにしない。


――――斬れる!!


「ウラアアアッ!」

ギンッ、と鈍い音がなった。

黒騎士は寸前で黒刀で俺の斬撃を受け止めていた。


「くそっ…」

リングの炎が無いと、力では圧倒的にかなわなかった。

すぐに剣をはじかれ、次々と攻撃を入れられていく。

「どうした、もう息がもたないのか?」

悪い冗談だ。筋肉が少しずつ動かなくなってきているのがわかる。

身体が軋む、このままでは本当に俺は…死ぬ。

「そろそろ時間だ、終われ!!」

黒騎士に天叢雲剣を上にはじかれ、俺は両腕を同時に上にあげられた。

黒騎士に斬られる刹那…かすかに感じた。


――――死ぬのか?

まだ、始まったばかりだ。

どうすれば――――助かるんだ。


「リングに炎を灯せ、この空間を潰せ!投影しろ!」


――――悪魔の声……そうだ

この空間ごと、潰す。

そしたら、助かる。


「もう遅い!」

黒騎士…鉄仮面、むかつくやろうだ。

決めつけんじゃねえよ…まだ、まだこれからだ…


「うおおおおおおおおおおおお!!!」

全力で俺はリングに炎を込めた。

全ての、力を。


――――ぶっ潰れちまえ、劫火に焼かれて…


――――投影する!


その瞬間、大爆発を起こした。


黒い空間を、紅色の炎が埋め尽くしていた。


「……ざまぁみろ…」


「ばかな…!!」


力を出し切った俺は、倒れていた。

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