第十一章 初めての戦い
「俺をうまく使い、敵を倒せ」
「剣に変身してても喋れるのかよ…」
俺は天叢雲剣を相手の指揮官に向けて構えた。
剣は重たかった、しかしなぜか軽々持てるように動かせる。
「さっきまでの威勢はどうしたんだよ」
俺は相手を挑発し、相手から向かってきたところを
返り討ちにしようと考えた。
「死なない程度に遊んでやるよ、きな!」
「ふざけるな、糞ガキが!!」
狙い通り、銃を構えながらも突っ込んできた。
といっても、数が多すぎる。これではどうしようもない。
「ええい、怯むな!王の右腕の我が指揮をとり、相手を撹乱し勝利をつかむ!」
鉄仮面の男、黒騎士はどうもやる気だ。
しかし、自分の力を試すためには、邪魔だった。
「手を出すな!」
悪魔が言った、そして俺はとっさにある作戦を思いついた。
「…俺が一人でこいつらに勝ったら、王のもとへ案内してくれ」
もう後へは引けない、覚悟を示すためでもあった。
「何を…!?」
「いいから、約束だぜ!」
さて、どうする。
向かってくる相手を一人一人相手にするのは無理だ。
そこで脳に直接話しかけられるような感覚で声がきこえた。
(大丈夫だ、臆するな、よくきけ)
悪魔の声だった、脳に直接語りかけられるようだ。
(イメージしろ、斬撃をとばすイメージを)
(イメージして、剣をふれ、現実になる)
どういうことだよ!と思ったが、もう敵は迫ってきている。
(覚悟を力に変えろ!名前は――――)
「うおおおおおおおおおお!!」
――――風魔一閃!!
剣を振り下ろす、斬撃をとばすイメージ…
強大な風の塊のようなものが振り下ろした方向へとんでゆく。
ドーン!!と音をたて、煙で前が見えなくなる。
(よくやったな、それがイメージを現実にする投影術のようなものだ)
(あらゆるイメージを放つことができる、忘れるな)
「…スゲェ」
思わず自分で声をあげてしまう。
そして、しばらくして煙がさった。
相手は全員倒れていた。
「……見事、約束はまもろう、お前たちを王都へ案内する」
疲れ果てた俺は、その言葉をきいた瞬間倒れてしまった。