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春は掴めるようで掴めない。

作者: カモノ橋咲

春が来た。

そう感じたのはいつだろう。それはひとりひとり違う。

私の春は一週間前に来た。

それは突然の事で来年には忘れてしまうのかも知れない。


授業中。少し寒なと感じ、風が向かってくる方向。天上を見てみると扇風機がまわっていた。

暑いから、まわしているだろうだろうが、みんなジャージや冬服を着ていた。まるで今までで冬だと感じていたから抜けだせないみたいに。季節に縛られたみたいに。不思議だな。


年から年中夏服の子以外を除けば。その子。いや、そいつは10℃の時の体育の時間でも変わらない。意地というものだろうか。不思議だな。


先輩は卒業した。本来は在校生も卒業式に参加できるらしいのだが、コロナで中止になった。その代わりオンラインで体育館にいる3年生を教室で見た。不思議だな。


卒業証書授与。一人一人校長先生が手渡しをする。私にとって主役は君。かっこよかったしこれが最後なのかと思うと泣きそうになる。あっという間だった2年間がよみがえる。年の差は変えられない運命みたいな物だから、そう思って2週間前から過ごしてきたから涙は出なかった。心の奥ではすごい悲しいって言ってるのに泣けなかった。不思議だな。


思い出のアルバム。君の普段はみれないクラスでの一面がかっこよくて、でも録画も保存も出来ないから目に焼き付ける。一年生の君は、初めて会った時よりも幼い顔をしていてなんだか愛おしくなった。


卒業式終了後。運動場に移動して写真撮影があるから移動していた所も動画で見た。みんな笑っていて少し卒業できる事が嬉しそうだった。カメラに向かって手を振っていて、繋がった気持ちになる。ほんの一瞬。


今日の天気は晴れだった。今日も日付は変わるし時間も進む。そんなのは当たり前だけど、止まってほしい自分もいて。さよならは悲しいし、新しい出会いもある。そんな季節が春。胸が苦しくなる。そんな思いをしている私は成長しているんだろう。




そんな優しい春。一番好きな季節かもしれない。大切にしたい。

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