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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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92話 チーム名を考える

タウロは冷蔵庫の技術を応用して、クーラーも作ってみた。


魔道具師による、加工した魔石で冷風を送るものは以前から存在したが、使用してるのは王族や貴族、金持ちの類で、庶民には到底手が出せるものではなく、燃費効率も悪かった。


その点、タウロの魔法陣使用のものは魔道具師の加工した魔石より優れていた。


さらに、クーラーに使用した魔法陣は冷やす力は弱めているので風と合わせても冷蔵庫より燃費が良い。


問題はデザインだが、これはやはり前世の記憶からパクる…オマージュする事にした。


後は販売についてだが、この商品は売れる時期と場所にもよるのでマーチェスと話し合い、今は様子を見る事にした。

もちろん、試作品が出来た時点で商業ギルドには、登録した。

担当者がまた、驚いていたが、革新的技術に触れられて嬉しいです、と感動していたのが印象的だった。



タウロはずっと魔道具師の加工技術は気になっていたのだが、ガーフィッシュ商会が紹介してくれた魔道具師からその技術を確認してみるとそれは魔法陣の一部技術を分解して簡略化したものである事がわかった。

遥か昔は魔法陣の技術もあったのだろうが、用途に合わせて簡略化していった結果、今の形だけが残ったのだろう、進化させたが、その為に原型の技術を失う事になったようだ。


原型といえば、古いと思われがちだが、原型無くして進化を語るのは愚かだろう。

何事も元があるから今の形がある。

自分はその原型から直接、今の形とは別の形に進化させた事になるのかもしれない。

どちらが良いという事ではなく、可能性としてどちらも有りなのだ。


タウロはその点で、原型から枝分かれする新たな「祖」になる技術を作ったと言えた。




エアリスは、タウロの知識に舌を巻いていた。

自分は冒険者としてタウロが豊富な知識を持っていると思っていたのだが、それはいろんな分野に及び、発想も常人とは異なっている。

それを一緒にいて気づく事になった。

料理についても発想豊かで、何より美味しい。

たまに1人で彫り物をしているのをみかけるが、それも驚くほど繊細で近くで見ようとしたら、マジック収納に隠された。

本人は恥ずかしいと言っていたが、その腕は一流だと思った。

まだ、11歳なのにどこで学んだのか気になるが、タウロはそういう事を聞かれると上手く煙に巻いてしまう。

過去を話したくないのかもしれない。

誰にも聞かれたくない過去はある、自分もそうだ。

タウロの事を知りたい反面その事があり、踏み込めない自分がいた。




ある日の午後。

ギルドに戻って4人がクエスト完了の報告をすると、新人受付嬢カンヌからE-ランクへの昇格が言い渡された。


「おめでとうございます♪E-昇格ですので、次のクエストまでにチーム名を考えて登録して下さいね。みなさんは無名ノーネームみたいですから。」


Eランク帯に上がるとチーム名も正式に登録する必要がある。

Fランク帯までは自分達が呼ばれたいチーム名を名乗っている場合があるが、Eランク帯になるまでは正式名としては扱われない。

大体が、Eランク帯になる前に喧嘩別れで解散したり、格好良すぎる名前に現実を知って恥ずかしくなり変更する事がよくあるからだ。

そういうチームが沢山あるので登録は現実を知ってから、というのがギルドのルールだった。


タウロ達はエアリス以外はチーム名に無頓着で今まで保留にしていた。


ついに話し合う時が来たようだ。


4人は、『憩い亭』に集まると食事をしながら、考える事にした。


「ほら、やっぱり考えておいた方が良かったじゃない。」


エアリスが3人を指さして言った。


「だから、今、考えてるだろう?」


ルメヤが反論する。


「遅いのよ、3人とも。チームの名前は私達を表すものなんだから大切なのよ?」


「じゃあ、『ダンサス村の4人衆』。」


シンが突然変な事を言い出した。


「「「え?」」」


他の3人はあまりのネーミングセンスに聞き返した。


いや、きっと違うはずだ、チーム名なわけがない!


「チーム名だけど?」


シンは当然の様に言った。


「センス『0』か!」


ルメヤがツッコむ。


「じゃあ、ルメヤも何か考えろよ。」


シンが、不貞腐れて答えた。


「うーん…、『薬草採取のプロ集団』」


「君もかよ!」


タウロが今度はツッコミを入れた。


やばい、これはみんなセンスが無い可能性がある。

タウロは危機感を覚えるのだった。

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