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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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77話 村の名物作り

ギルド運営の酒場オープンに向けて着々と空き家のリフォームは進んでいた。

その作業は最早、リフォームのレベルを超えて新築に近かったが、タウロの手際の良さに周りもノせられ作業は順調だった。


その勢いのまま、リフォームは進み、予定より10日も早く酒場兼宿屋が完成した。


「俺らが作ったのか…。これ、オシャレってやつじゃね?」


「だよな?もっとむさ苦しい感じを想像してた…。」


「何にしろ、これからここが、俺達冒険者のたまり場だぜ!」


冒険者達は新たな憩いの場を自分達で作った事に感慨無量だった。


シンとルメヤも同じだったらしく、


「自分達で作ったって凄いよな…!」


「ここが俺達の次の宿かー!」


と、興奮気味だった。


そこで、タウロは現実を指摘してみた。


「僕達Fランク帯の収入ではここの宿屋代の支払いは大変だから、これからも頑張らないとですね。」


タウロの言葉に二人は、はっとして、財布の中のお金を確認してガックリするのであった。



二人はともかく、タウロは貯金や副業での収入があるので引っ越そうと思えば引っ越せたが、今は二人が引っ越すまでは我慢しようと思うのだった。



クロエは、冒険者達の会話からここを『憩い亭』と名付けた。


安直だが、まさに憩いの場になればいい。

そして、支部の新たな収入源として、稼ぐわよと心に誓うクロエだった。

現実問題、支部のお金はここに費やした事で底を尽きかけていた。

タウロの活躍でずっと早く完成したので経費が浮いて助かったが、ここが失敗したら、この支部は終わりだと危機感でいっぱいだった。




クロエの危機感を他所に、タウロはこの『憩い亭』の料理人の教育を請け負った。

宿屋はとんかつなどの揚げ物を名物にしたので、別の料理を提供して差別化を図らないといけない。

最初、どんな料理を出すか悩んだのだが、ふと思い出した。

以前いたサイーシの街のギルドに権利を売った料理はギルドに権利がある。

つまり、同じ冒険者ギルドのここで出しても問題ないのでは?と。

クロエに確認すると、支部は独立採算制を取っているが、同じ冒険者ギルドなので使用料さえ支払えば、あのメニューを使っても問題なしという事らしい。


なので早速、タウロは料理人にハンバーグを伝授した。

白パンは今回、村のパン屋さんに作り方を伝授したかったが、作り方は権利をギルドが持っているので、その権利を侵害するわけにもいかず断念した。


ハンバーグ一品でも今は物珍しさで十分、人気は出るはずだ。


あとは、時間がかかるがタウロは味噌を作る事にした。

その為には米麹を作らないといけない。

さらに米麹を作るには種麹が必要になる。


幸いこの村もお米は家畜の飼料として使われていたので入手は簡単だった。

早速種麹作りに着手した。


まず、お米を精米し、洗米し、浸漬(米の吸水率を計り、十分に水を吸水させる)する。

次に均一な仕上がりになるよう蒸してから、麹菌が育成できる温度まで蒸し米を冷ます。

そうしたら稲に付着したカビ(種菌)を採取したものを、蒸し米に散布。

『浄化』でカビ(種菌)を殺さないように、雑菌だけを死滅させて温度と水分を調節して培養。


出来たら風の精霊魔法で乾燥させて、ふるいにかけて胞子だけを集めてそこにデンプンを配合して完成。


魔法が無かったらどれだけの時間が必要だったか、考えるだけで気が遠くなる作業を短時間で終わらせると、米麹作りに移った。


米麹作りも種麹作りと似ていて培養するところまでほぼ同じだ。

培養は過程を経たお米をキレイな布に包み力を加えてなるべく小さく丸くなるようにして温度が30~32度くらいになるように保温、これは箱に入れて調節した。


時折、空気を入れ替えて麹菌に酸素を与え、米の固まりを一旦、一粒ずつバラバラにほぐして再度、布で包み込み直す。

これを何度かやって2日間かけて完成。


やっとこれで味噌作りに移れる…。

タウロは気が遠くなる思いだったが味噌さえできればこの村の名物になるはずと気合を入れ直した。

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