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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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71話 出張クエストの準備

朝、いつもの様にタウロとそれに引っ付いて、シンとルメヤの3人がギルドに入ってきた。


「珍しくFランクに違うクエストがあるよ?」


シンが掲示板に張り出された一枚の紙を指さした。


「本当だ。大量発生のキラーアント討伐クエストF~E帯が資格だ、どうするタウロ君?」


ルメヤがタウロに判断を仰いだ。


キラーアントは体長50~60センチのどでかい蟻だが顎の力が強く畑を荒らす。

Fランク帯の者で潰して対応できるレベルの魔物だが、それが集団になると人も襲うので大量発生すると危険度は上がる。


今回、Fランク帯からEランク帯への依頼なのはその為だろう。


クエスト先は隣の開拓村だ。


ダレーダー伯爵が与力である騎士爵に森を切り拓いて与えた村だったはず。


騎士爵が居ながら、撃退できないレベルで大量発生してるという事だろう。


「じゃあ、僕は受けようかな。」


タウロが、張り出された紙をひとつ取った。


「自分も受けるよ。」


シンが追随する。


「じゃあ、俺も。」


ルメヤも当り前の様にクエストの紙を取る。


「二人とも自分が好きなの選んでいいからね?」


「タウロ君が行くところに行く方が自分の早い成長になるから。」


「そうだぜ、タウロ君。俺達は一心同体さ!」


いや、一心同体ではないから!


タウロは内心ツッコむのだが、二人が良いと言うなら文句は言えない。


定員も4人だ、先に一人分は埋まっていたのでこれで、満員だ。


「クロエさん、じゃあ、これお願いします。」


「このクエストを受けるの?タウロ君達気をつけてね。これ、本当に大量発生してるみたいだから、Eランクでも嫌がる人いるのよ。」


クロエはクエストを張り出す前にEランク帯の冒険者に最初、話を持ちかけたそうだ。

結果、Eランクで受けたのは一人だけだった。


「じゃあ、E+のボブさんをリーダーにするから、みんなはボブさんに従ってね。」


あ、受けたのボブさんか…、彼女のモモさん引っ越してきたばかりなのにもう、家を留守にする気なんだ…、いや、断れなかっただけだろうな…。


タウロは、ボブさんの人の良さに呆れながらもそういう人柄が良いんだよと思い直した。


「じゃあ、明日、朝一番で出かけるとして…、今日は薬草採取と準備に時間を使いましょうか。」


と、二人に提案した。


「「準備?」」


二人には何を準備するのか、わからなかった。


「キラーアントは潰すだけだよね?」


ルメヤは何度か討伐クエストをしてるので、槌を用意するくらいしか思いつかなかった。


「自分もただ斬るか潰すだけで、準備する物と言っても剣以外に思いつかないかな?」


シンも疑問をタウロに投げかけた。


「まあ、後で話すので薬草採取クエストを受けましょう。」


タウロがそういうと二人は素直に従って森に向かった。




「今からみつけるのは、クエストの薬草はもちろんですが、この、ピーレス草にハブ草、カプサイ草です。」


「「その草は?」」


二人がなぜ草なのかわからないようだ。


「この3つの草は、虫系に害になる選択毒です。」


「選択毒?」


シンが聞きなれない言葉に聞き返した。


「選択毒というのは、人間には害にならないけど、虫には毒になる、つまり、特定の生物に対してのみ高い毒性を発揮する性質の事です。」


「おお!」

二人はタウロが言いたい事がやっとわかった。


つまり、キラーアントにのみ効果がある草を探して本番でそれを使うという事だろう。


「わかった。探すよ。」


二人とも頷くと探し始めた。


「沢山あれば助かるので、あるだけお願いします。」


タウロは二人とは逆の方向で『真眼』を使って探し始めるのだった。



3人が手分けして探した草は大量だった。


この森に虫系魔物がいないのが、納得できる量だった。


「よし、これだけあれば、良いでしょう。じゃあ、これをすり潰して下さい。」


タウロはマジック収納から薬剤の道具をポンポンと出した。


その光景に二人は驚く。


「タウロ君、マジック収納を持ってたの!?」


あ、しまった…!


タウロはつい作る事に考えを巡らし過ぎて、秘密にしてるのを忘れていた。


「えっと、小規模ですが、スキルで持ってました。あはは…。」


もう、見せたからにはフォローしようがない、と思いつつ、小規模と嘘をついていた。


「便利なスキルだから秘密にするのわかるなぁ。悪い奴に知られたら身が危ないし。」


シンが勝手にタウロの心情を解釈してくれた。


「確かに、タウロ君がしっかりしてると言ってもまだ11歳だもんな。」


ルメヤもシンの言葉に勝手に納得してくれた。


うん、間違ってないけど…。

この二人、薄々思ってたけど、良い人過ぎるぞ。


人の良い二人にタウロは内心、苦笑いするのだった。

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