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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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69話 そういう名前

連日、新人冒険者のシンとルメヤがタウロに引っ付いて薬草採取に向かう光景が村では見られるようになった。


11歳の少年に、新人とはいえ二人の成人した大人(16歳で成人扱い)が付いて行く光景は状況を知らない者にとっては、少年がどこかのいいところの坊ちゃんか何かだろうかと想像させた。


もちろん、そんなわけはないのだが、事情を知っている者にとっても、何とも不思議な光景として映っていた。



3人は薬草を採取しながら、スキルについてシンとルメヤはタウロの講義を受けていた。


「ルメヤさんは、スキル『剛力』があるからそれを磨くのはもちろんですが、『盾』スキルがあるのでそれを活かした戦い方をするのが良いと思いますよ。」


「でも、盾は防ぐものじゃ?」


「盾術は色々技があるんですよ。僕が教わったのでは、基本は敵の攻撃を引き受けて味方を攻撃させない事が大事ですが、盾による打撃や突撃、カウンター、仕込み刃で刺す、斬るもできます。ルメヤさんは『剛力』があるので盾スキルと合わさるとかなり戦力が上がると思います。」


「おお!」


ルメヤは『剛力』スキルがある為、守る事しか能がないと思っていた『盾』に魅力を感じていなかった。

だが、話を聞いてるとその魅力が伝わってきた。

力に任せて斧を振るスタイルだったが、『盾』スキルをちゃんと極めようと思うのだった。


「シンさんは今の『剣』スキルと『体術』を極めて攻撃に特化したスタイルがいいでしょうね。戦いは剣のみじゃなく掴んで投げたり蹴ったりして不意を突く事もあるので二つを上手く合せて発揮するととても強いと思います。」


「わかったよ、そうしてみる!」


シンは素直過ぎるところがあるので、二つを組み合わせた戦闘を覚えると幅が広がり、一気に化けるとタウロは考えていた。


「とりあえず、薬草採取は効率よく終えれば時間が出来るので他の事をやる時間が生まれます。そこで、得意分野を磨き、Eランク帯になった時に、周囲に後れを取らない様に準備しておきましょう。」


「「わかった!」」


この二人が組むとさらにいいだろうな、と思うタウロであった。




西の空が鮮やかなオレンジ色に染まる黄昏時、ギルドに寄ってクエストを完了させるとタウロ達3人は宿屋に戻った。


するとちょうど、乗合馬車が村の入り口付近に到着していた。

このダンサスの村が一時悪評が絶えなかった時は止まっていたが、最近また動き出したそうだ。

人がまた行きかうようになったのは良い事だった。

乗車客が馬車から降りてくるのをわき目にシンとルメヤはすぐに「飯、飯!」と、宿屋に入っていく。


タウロも中に入ろうすると馬車から降りて荷物を抱えて、キョロキョロと周りを見ていた獣人族の女性に声をかけられた。


「そこのボク。ちょっといいかな!」


「はい?」


「ここの村の冒険者の人でボブっていう人知らない?」


「…あ!知ってますよ!」


タウロはボブの名前を聞いてピンときた。


見た目からすると黒髪に黒目、三角の耳に細長い尻尾。

猫人族と思われる民族衣装も似合うこの女性は多分、ボブさんの彼女だ!


「家まで案内しましょうか?」


「本当?助かるわ。今着いたばっかりだから、どうしようかと思ってたの。」


「この時間、すぐ暗くなりますからね。すぐ行きましょう。」


「ありがとうねボク。」


「いえいえ。ボブさんの彼女は大歓迎ですよ♪」


「え?何で知ってるの?」


猫人族の女性はびっくりして聞き返した。


「あ、すみません、手紙を代筆したの僕なんです。」


「そうだったのね!…よく考えるとボブがあんなに字が上手いわけないものね。嬉しくてそんな事考えてなかったわ。あはは!」


猫人族の女性はコロコロ笑うとありがとうと感謝してくれた。


「僕はタウロと言います、よろしくお願いします。」


タウロは歩きながらお辞儀した。


「あ、自己紹介がまだだったわね。私の名前はモモよ。」


モモという名前、猫人族という事に前世の日本の2020年ペットであるメスの猫に付けるランキング1位の名前を思い出すタウロであった。

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