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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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第668話 領内の発展と領主

 タウロの領主就任パーティーまで二か月ある。


 その時までには領内の形もある程度整えておきたいから、岩人形ロックシリーズ十体にはまだ未改修の街道整備を進めさせ、子供型自立思考人形セトにその監督を任せている。


 狼型人形ガロは常に移動で利用しているし、男女型人形アダムとイブはタウロの護衛役として常に付いて回っていた。


 アンクは小人族最強戦士にしてジーロシュガー子爵領、領兵総隊長シャルことシャルル・ペローと一緒に、領兵達の鍛錬に暇がない。


 エアリスはタウロの傍で、貴族としての礼儀やマナーを改めて教えたりしている。


 ラグーネはその間に竜人族の村に戻って、就任パーティーに向けて族長と一緒に人選を考えたり、今後、タウロとの関係性についても話し合いをしていた。


 シオンはセトと一緒に領内の街道整備と共に、魔物退治や近隣の領民同士の揉め事の仲裁を行ったり、そのスキルを活かして、病人の治療を行っているようだ。


 それぞれがタウロの為になるならばと、領内で活動を行っていた。


 そのおかげか、領内は着実にインフラが整い、治安も改善され、領都へ人も集まり始めている。


 冒険者ギルドにも冒険者が集い始めているようで、山間部の魔物退治は領兵隊がやらずとも冒険者が代わりに討伐に向かってくれる事がかなり増えてきた。


 これまでは、領兵隊を増強し各地に派遣する事で魔物の討伐も行い、領民の治安維持もする為に動いていたので大きな負担になっていただけに、冒険者が増えた事はかなりありがたい事であった。


 ただし、冒険者にも質の問題があるのは、タウロも重々承知している。


 そこで、タウロはラグーネの『次元回廊』で竜人族の村まで赴くと、族長リュウガと話し合い、ジーロシュガー領に竜人族の冒険者を一部派遣してもらう事にした。


 王都には『黒金の翼』のメンバーとして、竜人族の面々がダンジョン『バビロン』の攻略の為に活躍しているから、呼びよせるわけにいかなかったのだが、族長リュウガが、


「丁度いいタイミングなので、うちの竜人族で冒険者になる者は全員、タウロ殿の『黒金の翼』のメンバー登録をさせる事にしましょう。それなら、タウロ殿の名も高まりますし、そのお膝元で馬鹿をやる者はいなくなるでしょう。いても、うちの者が取り締まりますし」


 と笑って応じた。


「ぜ、全員ですか!? それだと竜人族のみなさんの自由が……」


 タウロは自分の名前で竜人族のみんなを縛るのはよくないと思って少し困る素振りを見せた。


「はははっ! いいのですよ。そもそも、我ら竜人族は生涯を賭してダンジョン攻略を行っていたところ、タウロ殿のお陰で悲願を叶えてもらったり、流行り病から村を救ってもらったり、新たなダンジョン『バビロン』に案内して頂いたりと御恩しかないですからな。このくらいの事、造作もありません。それに──」


 リュウガは、一気にそこまで話すと、一息ついてまた続ける。


「──それに、タウロ殿のこの度治める事になったジーロシュガー領周辺は古から竜人族も関りがある土地もありますから、一族の者達にも足を運ばせるのは悪い事ではありません」


 懐かしそうにリュウガはそう答えた。


「そう言えば、エルフ自治区では竜人族との古の盟約があると言ってました」


「まだ、そんな事を言っていましたか? あれは当時のエルフの族長が助けられた恩を永遠に語り継ぐと大袈裟に言っていまして……。俺もたかがトロール皇帝討伐如きで、そんな事をしなくていいと言ったんですが、未だに語り継いでいるとは義理堅いですな。はははっ!」


 族長リュウガは笑って当時の事を思い出したとばかりに笑うのであった。


「そうなんですね。はははっ。……ん? あれ? リュウガさんが関わっていた事なんですか? ……え? あの土地にエルフ自治区ができたのが、そもそもエルフの寿命よりも長いくらい以前の事だったうえに、トロール皇帝が前回出現したのも、かなり昔だったはず……」


 タウロはリュウガの言葉に色々とツッコミどころが多い事に気づいた。


「俺は竜人族の中でも長生きなんですよ。そういう能力を持っていますから。今は歳を数えるのも止めました。はははっ!」


 族長リュウガはタウロの疑問を笑い飛ばした。


 それが本当なら、下手をしたら千年近く生きているのではないだろうか?


「……ちなみに魔王と戦った事はありますか?」


「それを答えると歳がバレますな!」


 族長リュウガはそういうと笑って誤魔化す。


 ……という事は……、千年前に魔王倒したの、この人だ!


 千年前に出現し、世界を恐怖のどん底に陥れた魔王を討伐したのは、この族長リュウガさんだ! とタウロは確信するのであった。


「タウロ殿、変な想像をしないでくださいね? 俺は仲間の一人として戦っていましたが、まだ、若造で働きも大した事がなかったんですから」


 族長リュウガはタウロに誤解を与えないように、タウロの心中に補足を加える。


 やっぱり、討伐してるじゃん!


 タウロは心の中でツッコミを入れる。


 という事は、族長リュウガさんは、千年以上の寿命という事か……。


 族長リュウガさんが能力で長生きしているとして……、僕の能力『長命』は、どのくらい生きるんだろうか?


 タウロは族長リュウガの思わぬ事実の一端に触れながら、自分の寿命についても少し気にするのであった。

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