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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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65話 村の発展

タウロは呪いが解けたこの村が実に良いところである事をこの数日間で感じ始めていた。

村民も呪いが解ける前とは別人なくらい善良で、歩いているとみんなが声をかけてくれる。


村民達は呪いにかかっていた当時の記憶があったようで、自分達の行いに深い後悔と懺悔の念を抱いていた。

そして、その悪夢の様な呪いを解いてくれたボブとタウロに心から感謝していた。


そこで、よそ者からの信用を失ったこの村のイメージを回復する為、ボブは周辺の村や街を巡ってダンサスの村が魔物の呪いにあっていた事、それを自分達が取り除いた事、それを証明するのにゴブリンソーサラーの魔石を持って語って回り始めた。



タウロは村の発展を考え、この村の鍛冶屋には自分が以前いた街でも教えた鍛冶技術を伝えて新しい風をもたらした。

それと同時進行で木工所では、村の家々の修繕を話し合い、これもタウロの技術を伝えた。

寂れた印象が強かった村も家々が修繕されていく事でその印象は徐々に変化していくだろうと思ったのだ。


宿屋の女主人にはとっておきの料理を教えた。

タウロが秘伝にしていた『とんかつ』である。


この村では貴重な植物油を珍しい植物の種から作っていた。

なので揚げ物のとんかつが最適だと思ったのだ。

肉の処理からソースの作り方、パン粉の作り方、揚げ方のコツなど、こと細かに教えた。


そして、実際に調理して女主人に食べさせてみた。


「こんなサクサクの食感初めてだよ!最初、お肉を叩きだした時は戸惑ったけど、処理する事でビッグボアの肉質が柔らかくなるのね。油で揚げるというのも初めてだったけど、なるほど、こうなるのね!」


女主人は感心しきりだった。


「野菜も同じようにパン粉をつけて揚げるとまた違う食感で美味しく味わえますよ。」


「わかったわ!私も試してみていいかしら?」


勉強熱心な女主人だ、最初あった頃の呪いにかかっていた時とは別人だ。

ボブに美味しくないと評価されていた今までの料理も、元に戻ると普通に美味しい味に変わっていた。

やはり、作り手の気持ちで味は変化するのかもしれない。


これなら、とんかつを看板料理に揚げ物が評判の宿屋になるだろう。

料理がおいしければ訪れる人も増え、再び訪れる人もいるはずだ。


あとは地道に周辺を回っているボブの活動でよそ者が訪れるのを待つだけだった。



数日後、行商人が訪れた。

ボブの話を直接聞いたそうだ。

他の商人は避けて、来る者がいない今なら、ライバルがいないから商機があると思ったようだ。


「この村は、貴重な薬草が取れるんだね。これだけでも十分、元が取れるよ!」


若くまだ、商人としての日は浅そうな青年だったが、好感が持てたのでタウロがここで取れた薬草を紹介したのだ。

大きい街なら高値で取引されるはずなので、買い取ってくれればお互い嬉しい取引だ。

こちらで、乾燥させて処理しておくのでこの行商人も扱いやすいだろう。


他に、鍛冶屋が作る道具類、木工屋の作る小物類も紹介した。


「…これは、どれも出来が良い!本当にチャンスが転がり込んできたよ!」


この青年商人はすぐに鍛冶屋、木工屋と契約を交わし、後日馬車で購入しに来ると約束した。


「それじゃ、この村の良い噂をどんどん広めるよ。…ところで、ここの宿屋の料理も凄いよね!あんなの初めて食べたよ!」


「ここだけでしか食べれない、贅沢に油を使った『とんかつ』という料理です。来る時は必ず食べる事をお勧めします。」


「そうなの!?(ゴクリ)今晩もまた、食べる事にするよ!」


よし、落ちた!


タウロは内心ガッツポーズだった。


「あ、でも、食べ過ぎると油で胃がもたれるので程々がいいですよ。」


一気に食べ過ぎて飽きられるのも、怖い。

次来たらまた食べよう、そう思って貰えるのが一番良かった。



近くの小さい村から冒険者ギルドがあるこのダンサスの村に若者がやってきた。

冒険者志望らしい。

以前から来ようとしていたが、悪い噂が絶えないので二の足を踏んでいたらしい。

そこに、冒険者のボブがやって来て良い噂を聞いたことで、決断したようだ。

早速、銀貨10枚を払って登録すると、クエストで修繕を大工さんに教えて貰いながら悪戦苦闘しつつ頑張っていた。

それを眺めながら、こういう人がこれから増えていくと、この村の未来も明るいと思えたのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ここまでしてやる理由がわからんな 呪い掛けられてたって事に同情の余地はあっても、主人公視点では村人から何の恩恵も受けてない事に変わりはないのに 無償奉仕が好きな無自覚奴隷系主人公か
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