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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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第566話 新たな仲間

 タウロは結局、守護岩人形を原型とした大型人形十四体、大人の男女型人形二体、子供型人形一体の合計十七体もの人形を作り出す事に成功した。


 守護岩人形十四体に関しては、ラグーネが入手してきたダンジョン産の謎物質で関節部分の強化、『核』のある腹部の外装に使用する事で弱点を多少カバーしている。


 大人型人形二体は全身ダンジョン産謎物質で出来ているから、丈夫なのはもちろんの事、守護岩人形最大の攻撃手段である衝撃波も胸部に装備してあり、その強さは折り紙付きであった。


 そして、何と言ってもタウロも想定外の完成度になったのが、子供型人形であり、その性能は自律思考タイプなので、タウロの命令が無くても自分で考え動く事が出来る。


 驚いた事に、この子供型人形は他の人形と情報共有できるようで、タウロ無しで人形を操作できるというのも大きい。


 そんな子供型人形が人間に反旗を翻したらと想像したらぞっとするが、子供型人形はタウロの操作下にあり、他の人形の操作の負担を軽減してくれる存在と考えるととても便利である。


「さすがに全部とは言わないけど、大人型と子供型の人形には名前を付けてあげれば?」


 エアリスが、子供型人形に早速愛着が湧いたのかそう提案してきた。


「……そうだね。──それじゃあ……、元々の十四体は『ロック』シリーズと命名して、大人男女型はそれぞれ『アダム』と『イヴ』に。子供型は……、セト……、かな」


 タウロは覚えやすいようにそれっぽい名前を付けてみた。


「セト……ね? うん、良いんじゃないかしら」


 エアリスもタウロの命名を気に入ってくれた。


「俺も賛成だ。とてもいいんじゃないか? よろしくな、セト」


 アンクが拳を出すと、子供型人形セトは自分の拳を軽く突き出してアンクとこつんと合わせた。


「お? ちゃんとわかっているじゃないか!」


 アンクがセトの対応力に驚く。


「はははっ! それは僕がイメージをセトに送ったからだよ。でも、それで学習していくだろうから、これからもっと自分で考えて動いてくれると思う」


「……凄いな。こんな人形ゴーレム、竜人族の村でも見た事がないぞ」


 ラグーネが驚いてセトを褒める。


「タウロ様、普段はセト達はどうするんですか?」


 シオンが早速、セトを気に入ってハイタッチをして反応を楽しみながら疑問を口にした。


「アダムとイブ、ロックシリーズは、基本、僕のマジック収納に入ってもらって移動かな。セトは単体なら人形使いとして僕の操作の元で動いているという事にすれば、普段から一緒に冒険していいかも」


「やったー! ──セト、これからボクが拳闘術を教えますよ!」


 シオンは新たな小さい仲間の登場に喜んだ。


 セトもそれに反応するようにシオンと同じ動作をする。


「それなら槍と盾は私が教えよう」


 ラグーネもセトが人のような動きをするので、その気になって身を乗り出した。


「おいおい、二人共。セトはリーダーと情報を共有しているんだろ? 大概の事はリーダーによって教えられてしまうだろうからあんまり意味ないぞ」


 アンクが鋭い指摘をする。


「それってつまり、タウロの得意とする戦闘術はセトにも出来るようになるって事よね?」


 エアリスが実はかなり凄い事ではないかとセトを抱き寄せて指摘した。


「エアリスとアンクの指摘通り、多分そうだと思う。あとは視界も共有できるから僕が二人いるような状態かな。あとは最初の予定通り先行させて視界を通しての索敵もできるし、セトにアダムとイヴの操作もお願いできるから色んな事が出来ると思う」


 タウロも可能性が色々と広がった事について楽しそうに答える。


「なら、弓矢や小剣、盾なんかも持たせたら面白いんじゃないか?」


 アンクがさらに可能性を広げる提案をした。


「剣はともかく弓矢はどこまで大丈夫なのか試してみないといけないね。僕の弓術は練習で培った下地に能力の『精密』や、弓術に関する能力である『神箭手』によって精度が高められ、装備してある『ベヒーモス製革鎧・改』と『守護人形製円盾・改』に付与されている能力上昇能力によって剛力を生み出しているからセトにその再現は難しいかも」


 タウロの指摘はもっともだった。


 それに『アルテミスの弓』のようなダンジョン産の特殊武器によってそれらの能力を百パーセント発揮できる装備はセトに用意できないから、その辺りも考えないといけないところだろう。


「セトも万能ではないか……。そうだ、タウロとセトの距離が遠く離れても動かす事が出来るのかも試しておいた方が良いのではないか?」


 ラグーネはそう言うと竜人族の村への『次元回廊』を開く。


「そうだね。ちょっとやってみようか」


 タウロも盲点だったとばかりにラグーネの提案に乗って、『空間転移』を使って竜人族の村へと飛ぶ。


「……セト。タウロとまだ情報は共有出来ているの?」


 エアリスがセトに質問をする。


 するとセトは頷く。


「おお! 成功かよ! ここから竜人族の村は大分離れているはずなのに凄いな!」


 アンクがその事に驚いていると、タウロがすぐ戻ってきた。


「成功みたいだね! セトとの視界共有に問題は無かったよ」


 タウロも予想外の結果にホッとして喜ぶ。


「これからはセトを入れた戦い方も考えていいかもね。その為にはセトの成長が重要になって来るとは思うけど」


 エアリスが新たな提案をした。


「さすがにそれは難しいかも。僕と情報の共有は出来ているけど、セトでは判断できない情報は僕に任せている感じなのが伝わってくるからね。セトは基本、僕の手足となって他の人形の操作する大元になってくれる形で考えた方が今は良いかな」


「そうなの? ちょっと残念」


 エアリスは余程セトを気に入ったのか後ろからハグした状態であったが、残念そうに答えた。


「セトの事はこれからゆっくり検討していこう」


 タウロはエアリス達の、子供型人形セトの気に入りように苦笑するとそう答え、この日の実験を終了するのであった。

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