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48話 盗賊討伐クエスト完了

砦を奪取した側の部隊は人質の安全の確認と捕まえた盗賊達を縛り上げて閉じ込めた後、すぐに村への急襲部隊の援護に向かう事にした。


リーダーのロイが先頭で突き進んでいく。

タウロも後に続いて弓矢で援護していたが、矢がすぐに尽きた。


そこで、意外に役に立ったのが土の精霊魔法での石礫である。

握りこぶし大の石を敵に投げ飛ばす事が出来るのだ。

殺傷能力はほとんど無いが、『精密』の能力も相まって、十分戦闘力を奪う事が出来た。

盗賊の中にはタウロの手から飛来する石が頭に直撃し脳震盪を起こして倒れる者もいた。


更にタウロは、味方が傷つくとすぐに自作のポーションを出して、惜しみなく治療に使う、タウロの活躍は地味だが確実に味方冒険者達の支援として役に立っていた。


そんなタウロの地味な奮闘の中、ミーナと、盗賊団リーダーが睨み合う状況になっていた。


そこに砦急襲部隊のリーダーのロイが現れた。


「…くそっ、後ろの連中、もう少し、抵抗出来なかったのか!」


駆け付けたロイを睨みながら吐き捨てる。

ミーナの奮戦で数で押し切れず、盗賊団リーダーは逃げるタイミングを逸した。


「降伏しろ、縛り首は免れないが、痛い思いはしなくて済むぞ。」


ロイが、警告する。


「…ふん。俺様は、剣だけは自信があってな。過去には一端の冒険者として名を売ってた事もあるんだよ。」


言うが否や、正面のミーナに斬りかかる。


その瞬間であった。

盗賊のリーダーの視界を暗い靄が覆い隠した。


「な!?」


慌てた次の瞬間にはミーナの強烈な蹴りが盗賊団リーダーの腹にまともに入り、吹き飛ぶとロイの足元で気を失った。


「ナイスフォロー、タウロ。」


ミーナがロイの背後に、視線を送る。


ロイが振り返るとそこには、闇の精霊魔法で盗賊団リーダーの視界を奪ったタウロ・サトゥーがVサインをしていた。




村の急襲組は相手した敵の数が多かっただけに怪我人が多かった。

なのでポーションを持ってるタウロと治癒士達が総出で治療に当たった。

それ以外は残党の捕縛や盗まれた物の運び出し、人質の確認をした。


「逃げた連中は追いかけなくていいんですかい?」


冒険者の1人がロイ達リーダー陣に聞いた。


「それくらいは、領兵や、王国兵にやって貰おう。俺たちは冒険者だ、請け負った仕事は討伐クエストだけだ。」


ロイが答えると、リーダー陣は全員がそれに頷いて賛同するのであった。



盗賊村の盗賊87人中リーダーを含む35人を捕縛する事になった。

死体の数から差し引き、残り13人が逃げ延びた様だ。

タウロが確認した限り、その中に父親は含まれていた。


が、もう、長くは逃げられないだろう、ソークは盗賊団の残党として数領に渡って手配書が回る事になる。

捕まるのも時間の問題だった。




この討伐クエストで活躍した者達のランクアップが相次いだ。

ミーナがC-→Cに。

ロイとそのチーム『青の守り手』がC→C+に。

女魔法使いを中心に活躍したチーム『5本の矢』もC-→Cに。

探索クエストでチームを組んだクゾートもその後の偵察クエストでも活躍しランクアップしていた。


そして、タウロもE-→Eにランクアップしていた。

タウロに関しては最近のゴブリン討伐ソロクリア、盗賊探索クリア、そして、討伐クエストでの立ち回りが評価され文句なしだった。


「やったわね、タウロ君!」


ギルドロビー受付前で一同と共に、みんなの前で祝福を受けるのであった。

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