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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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43話 怒涛の一か月

サイーシの街に帰郷してからのタウロは忙しかった。

限定盤は王都の職人に任せたのだが、パウロが、タウロ制作の一点物を作ってはどうかと提案してきたのだ。

それなら、付加価値も今以上に付くし、生産も一点物なのでタウロの都合でどうにでもなる。

もちろん、タウロ本人の名前で出すわけにはいかないので、架空の製作者「ジーロ・シュガー」の刻印を入れる事にする。


まずはオリジナルを五面、制作し、そのうちの、3面はフルーエ王子と宰相、サイーシ子爵に贈り、残り2面はガーフィッシュ商会にシュガーブランドとして、店頭に置いて貰う事にした。

これが後に王都で、入手困難な「幻のシュガーブランド」と呼ばれ、有名になるのである。




冒険者としても、E-ランクに昇格していたので新しいクエストに慣れるのに日々苦労していた。


初Eランククエストでは、ソロでゴブリン討伐に挑戦して失敗していた。

原因は数的不利である。

5体を相手に、『気配察知』と『気配遮断』を使った奇襲を行い2体を倒したが、残り3体に囲まれそうになったので囲まれる前に逃げたのだ。

その為、倒した際に回収する魔石、ゴブリンの右耳は取り損ねた。

どちらにせよ、3体以上がノルマだったので、一緒だったのだが…。


ネイには、初めてのクエストで失敗は、よくある事と、慰められた。


タウロはこの失敗から立ち回り方について考え抜いた末、1つの可能性に思い立った。


それが、微妙な能力と思っていた『威光』である。


タウロはすぐ、ゴブリン討伐クエストを受け直すと、出発しすぐにゴブリン6体の集団を発見した。


すぐさまタウロは作戦を実行に移した。


まず、奇襲で弓矢の連続射撃で2体を倒し、接近、この時、『威光』を使う事で残りのゴブリン達はすくみ上り、動けなくなった。

その間にタウロは、さらに2体を小剣で突き刺して倒すと残り2体はさらに身を竦めた、そこにつけ入り斬り込む。


残ったゴブリン2体は、抵抗もままならぬ間に、タウロに倒されるのであった。


おかげで、ソロでは苦労するゴブリン討伐を、難なく達成する事が出来たのであった。




他にもタウロは、安らぎ亭のメニュー開発にも力を入れた。

王都で買い付けた大量の食材、香辛料、砂糖などは沢山ある。


その中で最初に作ったのが、日本人の国民食、カレーである。


前世の記憶で食べていた”知識”はあるが、こちらでは食べてないタウロにとって、お米がある以上ぜひとも食べたい一品だった。


タウロは俄然やる気をみせたが、カレー粉の開発は想像を超える難しさで、配合には苦戦させられた。


ギルドの厨房は、昼夜舞う香辛料の独特な臭いが充満し、それが周囲に漏れ出るとくさいと苦情がくるほどだった。


そんな汗と涙と鼻水を流す苦労をした半月後、カレーがついに完成したのであった。




そんな忙しい毎日を過ごして帰郷から1か月が経ったある日。


タウロは、サイーシ子爵邸に招待された。

リバーシの指南を受けたいという、申し入れだった。


サイーシ子爵は、王都の貴族の間で一躍有名になった自領のリバーシの天才に会わないわけにはいかなくなった。


王都に行くと上級貴族達から


「サトゥー殿はお元気ですか?」


と、聞かれるのだ。


自分が知らないところで有名になった少年がいるらしい。

その場では「ええ、もちろん元気ですとも!」と答えたが、後から周囲に聞いたが、第五王子や宰相閣下とも懇意にする間柄らしい。

そう言えば、リバーシの限定盤を貰って飾っていたが、領内にいる間はミスリル鉱石関連の事ばかりですっかり忘れていた。


タウロと会ったサイーシ子爵は、


どこかであった気がするが気のせいか?


と、思ったが、過去にミスリル鉱石第一号を発見した少年である事はすっかり忘れていた。


その後、リバーシの指南を簡単に受け、談笑後タウロは帰り、サイーシ子爵はリバーシの為に溜まった仕事に忙殺されて、サトゥー少年のことをすぐ忘れるのであった。

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