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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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308話 黒金の翼ダンジョンへ

 タウロ等『黒金の翼』一行は、護衛チームに守られてダンジョンに入った。


 タウロにとっては慣れ親しんでいる『休憩室』までのスライム層の道のりであるが、アンクにとっては初めてのダンジョンである。


「へー!」


 とか


「はー!」


 とか、感嘆しながら歩みを進める。


「このスライムばかりの1階層をそんなに驚きながら先に進む者は初めてだぞ?」


 ダンジョンについてラグーネは見慣れている事もあり、アンクのリアクションを面白がった。


「おいおい!竜人族は見慣れてて当然だろうが、ダンジョンは普通、国に管理されていて入れないんだから驚くに決まっているだろう。──そう言えば、エアリスも見慣れているのか?」


 アンクが、リアクションの薄いエアリスに気づいて話を振った。


「私?私はタウロと出来たばかりのものや、王都の近くのダンジョン『バビロン』に入った事があるから初めてじゃないもの」


「なんだ、だから驚かないのか。口数が少ないから何で驚かないのかと思ったよ。わはは!」


 アンクはそう言うと笑うのであった。


 そうこうしているうちに『休憩室』へ到着し、タウロが全員に手を繋いで輪になる様に告げる。


「では、行くよ?」


 タウロはみんなに確認をすると、合流階層である110階層に『空間転移』するのであった。




 110階層──


「あれ、誰もいない……?」


 到着したタウロとその一行は、人の気配の無い110階層に首を傾げた。


「ここであっているのタウロ?」


 エアリスが誰もいない110階層の『休憩室』を見渡して聞いた。


「そのはずなんだけどね……」


 タウロも数日前に送り届けたサラマンだけは必ずいると思っていただけに首を傾げた。


「こういう時は『休憩室』出入り口付近を見ればよいのですよ」


 護衛チームの隊長であるツグムが、出入り口の方を指さす。


 よく見ると、その出入り口の壁に一枚の紙が貼ってある。


 タウロが駆け寄り、その紙を見ると何か書かれている。


『娘達が来ないので下の層に降りてみます。──サラマン──』


 どうやら、予定日を越えて戻って来ない娘チームを心配してサラマンは単独で下の階層に向かってしまった様だ。


「それではみんな。下の階層111階層に移動するから手を繋いで」


 タウロは、そうみんなに声を掛けるとすぐに『空間転移』で移動するのであった。




 111階層──


「ここにもいないみたいだ」


 ラグーネが周囲を見渡して言う。


 そして、この階層でも出入り口付近を確認するとまた、紙が2枚貼ってある。


 1枚目の紙には、


『111階層、初到達!さらに下に潜る!──サラーン組──』


 と、書いてあり、2枚目には、


『娘達はここに来た様なので後を追って下に降りてみます──サラマン──』


 と、先程の筆跡でサラマンからタウロ達への伝言であった。


「じゃあ、みんな、さらに下に行くよ」


 タウロはまた、みんなに声を掛けると『空間転移』で今度は112階層へ。




 112階層──


 そこにはまた、同じく、サラーンの残した紙が貼ってあった。


『112階層、初到達!もっと下に潜るぞ!──サラーン組──』


 そして、その傍に、サラマンの残した紙があり、


『どうやら、娘達は勢いでさらに下に潜ったようです。一応、俺も後を追います──サラマン──』


 と書いてあった。


「サラマンさん、娘さんに振り回されているね。ははは」


 サラマンの伝言を確認したタウロは、ツグム達にそう冗談を言った。


「そのようですね。ですが、サラーン組もですが、1人で追いかけているサラマン殿も心配ですし、すぐに下の階層に向かいましょう」


 と、ツグムがタウロに移動を促した。


「そうですね、それでは、113階層に向かいましょう」


 タウロはそう答えると全員で113階層に移動するのであった。




 113階層──


 到着したタウロ達は慣れたもので出入り口の紙を確認した。


 そこには、やはりサラーンのメモが残っており、サラマンもその後を追うという

 伝言が貼ってあった。


「どうやら、さらに下みたいですね」


 タウロが、また、みんなに手を繋ぐように促そうとした時であった。


 護衛チームのメンバーの1人が、それを止めた。


「下の階層から上がって来る人影があります。数は1人、2人……、2人が魔物に追われているようです」


 索敵系の優れた能力を持っているのだろう、いち早く気づくと隊長であるツグムに報告する。


「タウロ殿、ここで待機していて下さい。我々がその2人を助けに行って来ます」


 ツグムが、タウロにそう告げると護衛チームは出入り口から外に飛び出していく。


「タウロ!私達にもサポートなど出来る事はあるはずだ。あとを追おう!」


 ラグーネが、タウロに出発を促した。


「そうだぜ、あの護衛チームが魔物と戦っている間に、その逃げている2人を救出するくらいはできるんじゃないか?」


 アンクもタウロに後を追う様に促した。


「絶対、後で怒られると思うのだけど……、サポートだけだよ?……じゃあ、わかった。あとを追おう!」


 タウロは悩んだ結果頷くと、みんなと共にツグム達護衛チームを追いかけるのであった。

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