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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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264話 楽しいお買い物(2)

 魔石をいくつか購入したタウロは、ホクホク顔の店員一同に見送られながら、2階に下りて行った。

 2階は武器が置いてるコーナーである。


 買う気はないが、自分の作った物と比較して今後の参考にしようと思ったのだった。


 この武器のコーナーも流石竜人族のお店と言うべきか、高品質な物が多く並び、属性付与された物も置いてある。


 中にはよくわからない形の武器もあったが、需要があるから置いているのだろう。


 色んな商品に惹かれるタウロであったが、今回買い替えを検討していたナイフで良さそうな物が特に無い様に思えた。


「…他のお店に期待するか。──後は防具だな」


 タウロは武器コーナーを一周見て回ると、1階に下りて行くのであった。



 竜の息武具店の売りは沢山の種類から選べる防具と服だった。


 服目当ての主婦が多く、服売り場は人だかりが出来ている。


 防具は、重装甲の鎧から、子供用の軽い革の鎧まで置いている。


 タウロも13歳になって少しは成長して背が伸びたとはいえ、まだ子供体型には違いない。


 丁度、エアリスと背は並んだくらいなので、サイズは一緒くらいだろうか?


 そんな事を考えていると、治癒士や、魔法使いが着そうな服が視界に入って来た。


「あ、エアリスが丁度着れそうなサイズ」


 タウロは自分=エアリスが着れそうだと思って、手に取ってみた。


 よく値札を見ると結構な高級品だ。


 ゆったりとした白の生地を基調にした紫と青のワンポイントがあるデザインで、エアリスが着ている服に雰囲気が似ている。


 胸の辺りに加工済み魔石を装着できる仕組みになっていて、加工済み魔石の種類次第で付与効果を付ける物の様だ。


 タウロが考えていた物が少しやり方が違う形でデザインされていたので、「これなら少し弄るくらいで形になりそうだ」とタウロは購入する事にするのだった。


 結局、タウロは『竜の息武具店』では、自分の物は買う事なくお店を後にした。


 そして、次に向かうのは一点物を中心に扱っているという『竜騎士武具屋』に向かうのであった。



「いらっしゃいませー」


 竜の息武具店の数軒隣にあった『竜騎士武具屋』は、『竜の息武具店』に比べると小さいが、工房と一体型の見慣れたお店であった。


 確かに一点物が売りなだけあり、同じものは二つとなく、ひとつひとつ違う物が店頭に並んでいる。


 タウロはこっちの方が自分向きの物があるかもしれないと、一目見て思った。


「人族の方ですか?…という事はタウロ様ですね。ご来店ありがとうございます!」


 ここでもタウロは命の恩人として歓迎された。


「…あはは。商品見させて貰っていいですか?」


「喜んで!」


 どこかで聞いた事がある対応をされながら、商品を見る事にした。


 タウロの目から見ても、『真眼』を使わなくても良い品ばかりだとすぐわかった。


『竜の息武具店』と住み分けしている品揃えだ。


 だが、店頭に並ぶのは基本的に大人サイズの物が主流で、タウロのサイズの物は少なかった。


 最初のお店を見ていたせいでそう感じるだけで、普通はこの感じが通常なお店だという擁護はしておく。


「サイズについては、種類によっては多少調整出来ますのでご安心を。どんなものがご入用ですか?」


 店員がタウロの反応を見て気づいたのだろう、聞いて来た。


「出来れば、軽くて丈夫な革鎧と、こちらも軽くて丈夫な小さめの盾、あと、僕でなく友人が持つ為の軽くて大きめの盾ありますか?」


 タウロは店内を眺めながら、店員に答えた。


「革鎧ですか。それなら、最近うちから暖簾分けしたお店の方をお勧めしますね。うちで元々一番の革鎧を作ってたドワーフなので。──盾ならこのダンジョンのゴーレムから入手した未知の金属を叩いて伸ばしたものを表面に張り付けたこの円盾はどうでしょうか?表面と裏面以外は木製ですが木の部分も木系魔物の一部から削り出したものなので非常に丈夫で軽量です。値段は張りますが、うちの職人自慢の一品ですよ」


 店員が高いところに展示されていた盾を外して下ろすとタウロに手渡した。


 確かに驚くほど軽くそれでいて手に馴染み、何といっても丈夫そうだ。

『真眼』で確認すると、値段はかなり高いが、それに見合うだけの盾である事は一目瞭然だった。


「もうひとつの大きめの盾ですが…、こちらはどうでしょうか?長方盾と呼ばれているものです。ただ、タウロ様の腰の小剣から察すると、この盾は不向きではないでしょうか?」


「いえ、僕が装備する物ではなく仲間のラグーネに──」


「あ、ラグーネですか!それなら大丈夫ですね。あいつは竜騎士持ちの槍使い、この盾は槍と一緒に扱うのに向いてます、それにこの盾は本人が欲しがってたので喜びますよ」


 店員はどうやらラグーネの事を知っているらしい。

 このお店の常連なのかもしれない。

 よく考えたら、竜人族同士、知り合いでもおかしくないだろう。


「あいつ元気ですか?ずっと顔を出さないから、心配してたんですよ。あ、俺、ラグーネの親戚なんです」


 身内かーい!


 タウロは内心ツッコミを入れると、道理で無駄にイケメンな店員だと思っていたので、ラグーネの身内とわかり納得するのであった。

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