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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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237話 続・実力者達の作戦会議

 Aランク帯チームのリーダー・ライガの柔軟さに欠ける発言に、他の冒険者達はざわつき始めた。


「事実だったらまずくないか?」


「だが、Aランク帯のライガが言うのだから大丈夫な気もするが…」


「待て待て。自分のチームの生死を他人の判断に委ねるなど危険過ぎるぞ」


「でも、その小僧の言う呪法では誰も死んでいないのだろう?Eランク帯のチームでも回避できるのだ、我々なら十分回避できそうだが?」


「確かに。それに暗殺ギルド側にも相応のリスクがあるのだろう?そんなものを使う可能性自体低いのではないか?」


「そうだな…。だが、状況によっては回避できない場合もあるかもしれない。その少年の情報を鵜呑みには出来ないが、警戒の為にそれに対応できる作戦を練った方が良いと思う」


「作戦実行まで時間が無いのだろう?今から考えてたら奴らに逃げられる可能性が上がるだけだぞ?」


 冒険者チームのリーダー達はそれぞれ意見を言い合うと、収拾がつかなくなってきた。


「みんな静かにしてくれ!あらかじめ練られた作戦は不測の事態にも対応できる様に考えられている。今回は素早く敵を制圧し、証拠も押さえる必要があるのだが、この少年の情報の範囲即死呪法とやらを使わせずに済ませる事も十分可能だと思う。ここに集まったのが一流である君達Bランク帯冒険者だという事を忘れないでくれ。君達の活躍で十分対処できるはずだ」


「それでは全滅する可能性があります」


 タウロは旗色が悪いとわかっていながらも食い下がった。


「僕達のチームは運よくこの呪法に巻き込まれませんでしたが、あれは運任せで回避できるほど甘いものではありません。なので1つ提案させて下さい。僕達もこの作戦に参加させて下さい。邪魔をしないでこの『範囲即死呪法』を未然に防ぐ作戦がありますので」


 タウロはライガに提案した。


「……作戦だと?こう言っちゃなんだが、Eランク帯程度のチームが参加すると足を引っ張るのは目に見えている。確かにそちらのチームに結界師がいるのは魅力的だが腕がEランク帯程度だと足手まといとしか言えない。情報は助かったが、参加は認められないな」


 ライガはタウロをEランク帯のチームと侮った様だ。

 聞く耳を持たなかった。


「……待て、ライガ。少年の言う作戦を聞くのも悪くないだろう」


 エイコクが自分のリーダーの浅慮を窘めた。


「くっ!……ではその作戦とやらを説明しろ。」


 ライガはエイコクの指摘に渋々従うとタウロの作戦の説明を聞くのであった。




「そんな事をしたら、こちらの作戦がバレるかもしれないだろ!?」


 ライガはタウロの説明に納得いかなかった様で噛みついた。


「バレる前にライガさん達が立案した作戦を実施して下さい。僕達は内側から阻止に動きます」


「……下手をしたら、君らはその場で殺されるかもしれんぞ?」


 エイコクがタウロの無謀とも思える策に警告した。


「大丈夫です。あちらが欲しがりそうな情報を用意してますので」


 タウロは笑顔でそう答える。


「……わかった。ライガ、同時進行で作戦を実施しよう。彼らが失敗しても我々の作戦に影響が出ない様に時間をおかずに動けばいい事だ」


 エイコクはタウロ作戦を承諾した。


「ちょ、ちょっと待てエイコク!俺がリーダーだといつも言ってるだろう勝手に仕切るな!……仕方ない。言っておくが作戦が始まったらお前達を救出する余裕はないから自分達の命は自分で守れよ」


 ライガは仲間であるエイコクに押し切られる形でタウロの作戦を受け入れる事にするのであった。




 ライガ達上層部が練った作戦が全員に話されると配置と連携についても説明された。


 あとは現場でぶっつけ本番だ。


 タウロ達はその作戦とは関係ないところで動く事になったので、早々にエイコクから暗殺ギルドの拠点を聞くと深夜のうちにその領域まで移動する事にした。


「リーダー。作戦は良いが、何でみんなの武器を回収して予備を持たされているんだ?」


 深夜の移動中、タウロはみんなの武器、杖、槍、大剣を回収するとマジック収納に入れてしまっていた。


「後で返すから今はその予備で対応して」


 タウロは作戦の説明も一切無く、みんなを引き連れて移動していた。


 夜は白々と明け始め、東の空は茜色に染まった。


「タウロ、そろそろ目的地が近いのではないか?」


 ラグーネが周囲を見回して、警戒する。


「うん、でも僕の『気配察知』には、まだ何も引っ掛からないから大丈夫だと──」


 タウロが言いかけた時だった。


 4人の背後に黒尽くめの者達が湾曲した剣を突き付けて立っていた。


 よく見ると周囲も囲まれている。


「……ごめんみんな。察知阻害系スキル持ちの連中みたい」


 タウロは手を上げるとエアリス達にも武器を捨て降参する様に促すのだった。

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